WEB制作 2026年2月26日

製造業の英語サイトに必要なコンテンツと制作時に意識するポイントを解説

もし日本語サイトを直訳しただけで満足しているなら、非常に危険です。海外ビジネスの現場において、それは土俵に上がるどころか、実力を見る前に「門前払い」されている可能性が高いからです。

海外バイヤーがサイトに求めているのは、情緒的な表現ではなく「要求スペックを安定供給できる客観的な証拠(エビデンス)」のみです。単位表記の正確性、国際規格の明記、そして現場の信頼を物語る写真。こうした「製造業特有の作法」をWebで体現できているかどうかが重要です。

本記事では、海外バイヤーの信頼を勝ち取り、引き合いを呼ぶための「必須コンテンツ一覧」と「実務のポイント」を徹底解説。貴社のサイトを、世界で戦える「最強の営業マン」へと変える指針をお届けします。

目次

日本語サイトを翻訳しただけでは海外からの受注に繋がらない?その主な2つの理由を解説

日本のWebサイトと海外のWebサイトでは、そもそもバイヤーが求めている役割が大きく異なる点に注意が必要です。言葉を英語に置き換えるだけでは解決できない、商習慣や情報収集プロセスの違いを理解することが第一歩といえます。
この章では、直訳サイトが抱える問題点と、海外展開におけるWebサイトの真の役割を整理します。

  • 海外企業はWebサイトを選定ツールと捉える
  • 言葉の壁よりも高い信頼構築の壁

海外バイヤーはWebサイトを選定ツールと捉える

日本国内の商談では、Webサイトはあくまで商談のきっかけにすぎません。詳細なスペックや企業の信頼性については、営業担当者が対面で説明し、情報を補完するスタイルが主流といえます。
一方、物理的な距離や時差がある海外取引において、Webサイトが担うのは営業担当者の代わりです。海外企業の責任者は、サイト上の情報だけで「自社の求める要件を満たしているか」をシビアに一次選別しています。
カタログ的な概要しか載っていない翻訳サイトでは、判断材料不足として早期に検討リストから外されるリスクが高まる点に留意しましょう。

言葉の壁よりも高い信頼構築の壁

海外のバイヤーにとって、見知らぬ日本の企業にコンタクトを取ることは、非常に大きな心理的ハードルを伴う行動です。「本当に実在する企業か」「安定して供給できる能力があるか」という不安が常に先行しているからです。
直訳しただけのサイトには、国内では当たり前として省略されがちな、設備スペックや品質保証プロセスといった客観的なエビデンスが不足する傾向にあります。相手の国の言葉を翻訳して伝えること以上に、バイヤーが意思決定するために必要な「事実とデータ」を提示する視点が、成果を分ける大きな要因です。

製造業の海外バイヤーが英語サイトで必ずチェックする4つの評価軸

「綺麗なサイト」が必ずしも「受注を生むサイト」とは限りません。特にグローバルなB2B市場では、バイヤーの選定眼はシビアです。
この章では、海外企業が貴社のサイトを訪れた際、瞬時に取引の合否を下す4つの評価軸を整理しました。

  • 製品のスペックと仕様書
  • 品質保証と国際規格の取得状況
  • 価格の透明性と競合との比較情報
  • 実際の導入実績を示す事例紹介の有無

順番に見ていきましょう。

1. 製品のスペックと仕様書

エンジニアや調達担当者などのバイヤーは、環境テストのデータや仕上げ、仕様などの詳細な技術情報を求めています。調査によると、B2Bバイヤーの59%がベンダー候補を評価する際に「プロダクトシート(製品仕様書)」を最も役立つ情報として挙げています。

これらの重要な情報がPDFに埋もれていたり何回もクリックしなければならない状態を避け、製品ページ上で明確かつ直感的に見つけられる設計(UX)になっているかが厳しくチェックされます。

参考:B2B Tech Buyer Behavior: 120+ Insights from Our Latest Research

2. 品質保証と国際規格の取得状況

ISO 9001などの公的な品質システム要件を満たしているかといった「品質認証」の有無は、重要な選定基準です。
さらに、単なる製品の提供にとどまらず、技術的なサポート体制が整っているかも重視されます。事実、バイヤーの72%がベンダーの専門家(SME)との1対1のコンサルテーションなどの教育的サポートを期待しており、検討から導入後まで手厚いサポートが得られるかどうかがチェックされます。

参考:What is Supplier Quality?B2B Tech Buyer Behavior: 120+ Insights from Our Latest Research

3. 価格の透明性と競合との比較情報

コストはB2Bの意思決定において非常に大きな影響を与えます。バイヤーは単なる表面的な価格だけでなく、材料費やコミュニケーションコストなどを含めた総合的なコスト(トータルコスト)を評価します。また、バイヤーの49%が「競合比較シート」、46%が「詳細な価格の内訳」を求めており、情報を隠さずに透明性を持って提示しているかがサイト評価の分かれ目となります。

参考:B2B Tech Buyer Behavior: 120+ Insights from Our Latest Research

4. 実際の導入実績を示す事例紹介の有無

技術的な要件を満たしているかだけでなく、「自社と似た環境で成功裏に導入されているか」を示す実例が信頼の構築に直結します。過去の実績は共通してサプライヤー選定の基準となり、実際にバイヤーの53%がベンダー評価時にケーススタディを頼りにしています。

製品がどのように顧客の課題を解決し、運用成功に貢献したかを示すコンテンツが重要です。もし顧客との関係性が良好であれば、ぜひインタビューの実施を検討してみましょう。意思決定の背景や当時の課題、取引開始後にどのような変化があったか、などをヒアリングして掲載することがおすすめです。

参考:Meeting Industrial Buyer Expectations With Consumer-Grade Web Experiences

【完全版】製造業の英語サイトに必須のコンテンツ一覧と掲載すべき詳細項目

海外のB2Bバイヤーは、営業担当者に接触する前にWebサイトで厳しい一次選別を行う傾向にあります。そのため、英語サイトには「取引に値する信頼性があるか」を証明する詳細なデータが不可欠です。
この章では、問い合わせ獲得のために必ず網羅すべき4つのコンテンツについて見ていきましょう。

  • 会社情報(Company Profile):Tier1/2の実績や資本力
  • 製品・技術紹介(Products & Technologies):加工範囲、対応材質の明記
  • 設備・品質保証(Equipment & QC):保有台数、測定機器リスト
  • サポート・FAQ(Support & FAQ):取引条件(MOQ・決済・言語)

会社情報(Company Profile):Tier1/2の実績や資本力

海外バイヤーがサプライヤーを選定する際、「長期的なパートナーシップを築ける相手か」をシビアに見極めます。そのため、「過去の実績」や「財務の安定性(資本力)」は共通のベンダー選定基準です。
特に、現地の有名企業やTier1/Tier2メーカーとの取引実績がある場合、それは高い信頼の証となります。B2Bバイヤーは「自分が認知・信頼しているブランド」を候補者リストに加える傾向が非常に強いため、会社概要ページには単なる沿革や住所だけでなく、具体的な納入実績、資本力、経営の安定性を示す情報を記載し、企業としての信頼性をアピールすることが不可欠です。

参考:What is Supplier Quality?

製品・技術紹介(Products & Technologies):加工範囲、対応材質の明記

製品ページは、エンジニアや調達担当者が最も頻繁に訪れる場所です。調査によると、B2Bバイヤーの59%がベンダー評価において「プロダクトシート(製品仕様書)」を最も役立つ情報源として挙げています。

ここで重要なのは、加工範囲、対応可能な材質、仕上げ、環境テストのデータなどの詳細な技術仕様を、直感的に見つけられるようにすることです。これらの重要なスペック情報をダウンロード必須のPDFの奥深くに隠すような導線は嫌われます。技術的な仕様は、Webページ上に直接明記する、といった掲載方法を意識しましょう。情報をサイト上に掲載すれば、バイヤーのサイト内の調査がスムーズに進みます。

また、その技術が実際の現場でどう役立ったかを示す「ケーススタディ(導入事例)」を併記することで、製品の実用性を強力に裏付けにつながります。

設備・品質保証(Equipment & QC):保有台数、測定機器リスト

製造業のバイヤーにとって、「希望する納期と生産能力(キャパシティ)を満たせるか」、そして「品質が保証されているか」は絶対条件です。サプライヤーの評価基準には、「現在の生産能力要件を満たす能力」や「ISO 9001などの規制・品質システム登録要件への適合」が明確に含まれています。

これを証明するために、自社が保有する加工設備の名称や台数、さらに品質を担保するための精密な測定機器のリストを公開しましょう。公的な品質認証(ISOなど)の取得状況とともにこれらの設備リストを掲載することで、ただ「高品質です」と謳う以上の説得力を持ち、海外バイヤーの品質に対する不安を払拭することができます。

サポート・FAQ(Support & FAQ):取引条件(MOQ・決済・言語)

製品自体が優れていても、取引条件が不明確であれば商談には発展しません。海外取引では、材料費だけでなく、コミュニケーション方法や在庫要件などを含めた「取引にかかる総コスト」が厳しく評価されます。
また、バイヤーの46%は詳細な価格の内訳や条件を求めています。 そのため、MOQ(最低発注数量)、対応可能な決済方法、サポート対応言語、納品条件(インコタームズなど)といった取引の基本条件をFAQやサポートページで事前に明示しておくことが重要です。さらに、B2Bバイヤーの72%は専門家との1対1の提案・説明など、手厚い技術サポートを期待していることが判明。導入前後のサポート体制(Technical Support)についても明記しておくと、競合他社との大きな差別化につながります。

参考:B2B Tech Buyer Behavior: 120+ Insights from Our Latest Research

海外顧客向けのWebサイトを制作するときに意識するポイント4選

掲載すべきコンテンツが整理できたら、次はそれを「どのように見せるか」という視点が欠かせません。日本の商習慣のまま情報を羅列するだけでは、海外バイヤーにとって親切なサイトとは言えないからです。
この章では、TMCデジタルがサイト制作の実務で重視している、成約率を左右する4つのポイントを解説します。

  • 戦略的な「単位表記」:インチ・ミリ併記と数値の国際ルール
  • パスポートとしての「国際規格」と「環境規制対応」の明文化
  • 「工場の見える化」:エビデンスとしての写真・動画活用術
  • 「返信スピード」の宣言と時差を乗り越える問い合わせ対応

1. 戦略的な「単位表記」:インチ・ミリ併記と数値の国際ルール

ターゲット国によって、日常的に使用される単位系は異なります。日本の基準を押し付けるのではなく、読み手に配慮した表記への変換が必須です。
例えば、米国のバイヤーを想定する場合、ミリ(mm)表記だけでは直感的なサイズ感が伝わりません。インチ(inch)とミリを併記する、あるいはターゲット地域に合わせた数値へ最適化することで、ストレスのない選定プロセスを提供できます。

以下、代表的な日本と海外の単位表記をまとめました。

 

測定項目日本(メートル法等)海外(主に米国:ヤード・ポンド法等)
長さ(寸法)ミリメートル(mm)、メートル(m)インチ(inch)、フィート(ft)
重さ(質量)キログラム(kg)、グラム(g)ポンド(lb)、オンス(oz)
温度摂氏(℃)華氏(℉)
圧力メガパスカル(MPa)ポンド毎平方インチ(psi)
面積平方メートル(m²)平方フィート(sq ft)
体積(容量)リットル(L)ガロン(gal)

2. パスポートとしての「国際規格」と「環境規制対応」の明文化

品質や環境への配慮は、グローバル市場において取引の最低条件となります。口頭での説明ではなく、Web上で客観的な証明を示す姿勢が重要です。
ISO9001などの品質認証はもちろん、RoHS指令やREACH規則といった環境規制への準拠状況を明確に記載しましょう。これらが有効期限内であることを証明するロゴや証明書の画像を添えることで、海外取引における強力なパスポートとして機能します。

次の表は、グローバル市場で重視される国際規格の例をまとめたものです。

規格・規制名対象分野概要と重要視される理由
ISO 9001品質マネジメント最も基本的な品質保証の証明であり、グローバル取引の前提条件
ISO 14001環境マネジメント環境配慮型企業であることの証明。持続可能性を重視する欧米企業で必須化傾向
RoHS指令 / REACH規則化学物質・環境規制欧州市場への製品輸出において準拠が法的に求められる必須項目
IATF 16949自動車産業自動車部品のグローバルサプライチェーンに参入するための絶対条件
ISO 13485医療機器医療機器および関連部品の安全性と品質を担保する国際基準
ISO/IEC 27001情報セキュリティ機密情報や図面のやり取りにおけるサイバーセキュリティリスク払拭の証明

3. 「工場の見える化」:エビデンスとしての写真・動画活用術

物理的な距離が離れている海外バイヤーにとって、製造現場の様子は最も知りたい情報の一つといえます。視覚的なエビデンスは、言葉の壁を越える強力なツールです。
徹底した5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が行き届いた工場の写真や、最新設備が実際に稼働している動画を配置します。クリーンな現場環境を可視化することで、品質管理体制の高さや従業員のモラルを無言でアピールすることが可能です。

4. 「返信スピード」の宣言と時差を乗り越える問い合わせ対応

問い合わせの心理的ハードルを下げるには、コミュニケーションの透明性が不可欠です。時差があるからこそ、迅速な対応体制のアピールが他社との差別化に繋がります。
フォームの送信完了画面や問い合わせページに、「24時間以内に一次回答をお送りします」といった目安を明示しておきましょう。いつ返信が来るのかという不安を取り除くことで、質の高いリード獲得に貢献します。

【デザイン・運用編】グローバル基準のUI/UXと多言語サイトの保守・集客

どれほど充実したコンテンツを用意しても、見せ方(デザイン)や運用体制が伴わなければ、海外バイヤーに情報を適切に届けることはできません。使いにくいサイトや更新の止まったサイトは、企業の信頼を根底から揺るがします。
この章では、世界の標準に合わせたUI/UXの考え方と、サイトを中長期的に成長させるための運用基盤について解説します。

  • 「余白」を活かした直感的なデザイン設計
  • 通信環境を考慮した「表示速度」の最適化
  • 多言語サイトの「鮮度」を保つ保守・集客体制

「余白」を活かした直感的なデザイン設計

日本のB2Bサイトにありがちな「情報を1画面に隙間なく詰め込む」デザインは、海外のユーザーから複雑で読みにくいと敬遠される傾向にあります。
重要なテキストや製品のスペック表を際立たせるためには、意図的に「余白(ホワイトスペース)」を設けることがグローバルスタンダードです。ユーザーの視線誘導を意識し、目的のデータシートや問い合わせボタン(CTA)へ迷わず辿り着けるよう、シンプルで論理的なナビゲーションを構築することが求められます。

通信環境を考慮した「表示速度」の最適化

デザインの美しさ以上に、問い合わせ率(コンバージョン)へ直結するのが、ページが読み込まれるまでの「表示速度」です。
ターゲットとなる国や地域(東南アジアの工業地帯や北米の地方都市など)によっては、日本ほどモバイル通信インフラが安定していないケースも少なくありません。高解像度の画像や動画を無駄に多用してサイトが重くなると、コンテンツが表示される前にバイヤーの離脱を招く原因となるでしょう。画像を適切に圧縮し、あらゆる環境で軽快に動作する「見えないUX(ユーザー体験)」への配慮が欠かせません。

多言語サイトの「鮮度」を保つ保守・集客体制

英語サイトは「公開した瞬間がゴール」ではなく、そこからいかに情報を最新に保ち、海外の検索エンジン(Google等)に評価されるかが勝負となります。
よくある失敗が、「最新の製品情報やニュースが日本語サイトにしか掲載されていない」という情報のタイムラグです。これを防ぐためには、多言語対応のCMS(コンテンツ管理システム)や翻訳管理ツールを導入し、社内でスムーズに同時更新できる運用フローを事前に整えておく必要があります。常に情報が最新(フレッシュ)であることが、海外SEOにおけるサイト評価を高め、持続的な集客をもたらす最大の武器になるのです。

まとめ:英語サイトを「世界で24時間働く最強の営業マン」にするために

海外のB2Bバイヤーは、Webサイト上の情報だけで取引先をシビアに一次選別しています。直訳の会社案内ではなく「定量的なスペック」「国際規格の証明」「現場の可視化」といった客観的エビデンスの網羅が不可欠です。
現地単位の併記や表示速度など、相手の環境に寄り添うことで、英語サイトは時差を越えて「24時間働く最強の営業マン」へと進化するでしょう。
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