製造業SEOでは何をする?基本施策や成果につなげるための3つのポイント
中小規模の製造業において、「展示会の出展や紹介営業だけでは新規開拓が難しい」「技術力や製品には自信があるけれど、市場に認知されていない」と感じている企業は少なくありません。
自社の技術力や製品の強みを多くの人に発信して、より多くのビジネスチャンスを獲得するためには、自社サイトによる集客が重要です。そこで取り入れたい戦略の一つが「SEO」です。
この記事では、製造業にSEOが必要とされる理由や基本的な施策、自社サイトへの集客を通じて成果につなげるためのポイントを解説します。
SEOとは

SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジンの最適化」を意味します。
自社サイトを検索エンジンの上位に表示させるために、Webページの構造を見直したり、コンテンツを充実化させたりする対策全般を指します。
Googleをはじめとする検索エンジンでは、ユーザーが入力した検索キーワードと関連性があり、もっとも有益と判断したWebページから順に表示される仕組みとなっています。
基本的なプロセスは、以下のとおりです。
▼検索エンジンがWebページを表示するプロセス
| プロセス | 内容 |
| 1.情報収集 (クロール) | クローラーと呼ばれるプログラムがインターネット上を巡回してWebページの情報を収集する |
| 2.情報登録 (インデックス) | 情報収集したWebページの内容を読み取り、検索エンジンのデータベースに整理・保管する |
| 3.評価・表示 (ランキング) | ユーザーが検索キーワードを入力した際に、データベースの情報から最適なWebページを選んで検索結果画面に表示する |
表示順位の決定は、「ユーザーの検索意図を満たしているか」「キーワードと関連性があるか」「情報の信頼性があるか」などの評価に基づいて行われます。
検索結果画面の上部に表示されるWebページほど、ユーザーの目に留まりアクセスされやすい傾向があります。自社サイトの集客数を増やすためには、SEOによって上位表示を目指すことが重要です。
製造業にSEOが必要な理由
製造業にSEOが必要とされる理由には、主に以下の2つが挙げられます。

インターネットを経由した顧客接点を増やすため
1つ目の理由は、顧客接点を増やすためです。
インターネットが普及した現代では、製造業の購買担当者や設計者においてもWeb検索で情報収集を行うことが主流となっています。
従来の展示会への出展や紹介に頼った営業だけでは、アプローチできる顧客層に限界があるため、新規顧客の開拓が思うように進まないことも少なくありません。
自社のことを知らない顧客層との接点を増やすには、Web検索をした際に自社サイトを見つけてもらうことが必要です。
SEOによって自社サイトが検索結果に上位表示されると、ターゲットの目に留まりアクセスにつながる可能性が高まります。製造業で見込み顧客を獲得するルートを拡大させるために、SEOは不可欠な戦略といえます。
ターゲットの検討段階に応じた訴求を行うため
2つ目の理由は、ターゲットの検討段階に応じた訴求を行うためです。
検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードと関連性があり、もっとも有益と判断したコンテンツが上位表示される仕組みとなっています。
製造業では、ターゲットが課題を認識してから最終的な契約または製品購入を決定するまでにいくつかの検討段階があります。各フェーズで発生する課題・ニーズを満たすコンテンツを作成することで、自社サイトが検索結果に表示される可能性が高まります。
▼製造業における検討段階の例
- 業界や技術に関する情報を調べている
- 課題解決策を探している
- 具体的な製品やサービスを探している
- 契約や購買の比較検討を行っている など
このようにターゲットが「今どの検討段階にいるのか」を想定して効果的な訴求を行うことにより、認知の獲得や興味関心の向上、問い合わせへとつながることが期待できます。
製造業SEOの基本の取り組み方
製造業のSEOに取り組む際は、自社のターゲットがどのような情報を必要としているのか、課題・ニーズを踏まえてキーワード選定やコンテンツ作成を行うことが重要です。
また、検索エンジンに自社のコンテンツを正しく評価してもらうためのサイト内部・外部での対策も求められます。ここからは、製造業SEOの基本的な施策について解説します。

①ターゲットの設定
SEOの最初のステップとなるのが、ターゲットの設定です。自社サイトを誰に見てほしいのか、対象となるターゲットを明確にすることが重要です。
ターゲットを明確にすることで、その人物が抱える課題やニーズ、検討プロセスを想定したキーワード選定やコンテンツ作成を行えるようになります。
製造業の開発分野や取り扱う製品などによってターゲットは異なりますが、一般的な具体例として以下が挙げられます。
▼製造業におけるターゲットの設定例
- 設計・開発部門の管理者
- 製品の機能を実現する加工方法を探している
- 要求性能を満たす特殊な素材を探している など
- 購買・調達部門の管理者
- 原材料の高騰を背景に調達先の変更を検討している
- サプライヤー管理の効率化やデータ活用に取り組みたい など
- 生産・製造部門の管理者
- 製造工程のボトルネックを解消したい
- 生産効率の向上や省人化を実現する自動化設備を探している など
所属部門や役職だけでなく「どのような悩みや疑問を持っているか」を具体化することで、Web検索の傾向を分析しやすくなります。
②キーワードの選定
キーワードの選定では、検索エンジンの検索結果画面において「1ページ内の上位」に表示することを目標にします。
自社を知らない顧客層との接点を創出するには、「会社名」や「製品の固有名詞」ではなく、ターゲットが入力する一般的な検索キーワードを選ぶことが必要です。製造業でのキーワード選定では、以下の例が挙げられます。
▼キーワードの選定例
| 検索軸 | 具体例 |
| 課題 | 検査 自動化 歩留まり 改善 測定器 ばらつき |
| 技術・製造方法 | 異種金属 溶接 マシニング 加工 プラスチック金型 設計 |
| 機械・部品・材料 | 自動搬送ロボット 種類 鉄鋼材料 特徴 自動倉庫システム 工場 |
| 比較・選定 | 自動化設備 メーカー 生産管理システム 選び方 PLC 価格 |
また、検索ボリュームや競合サイトの状況などによって、上位表示を狙いやすいキーワードは変わります。選定時に押さえておくポイントには、以下が挙げられます。
▼キーワードを選定する際に押さえておくポイント
- 月間の検索数が数十〜数百あり、競合サイトが多すぎずアクセスが期待できる現実的なキーワードを選ぶ
- 競合他社がコンテンツを作成していないキーワード領域を探す
- 訴求したい自社製品やソリューションとの関連性を持たせる
検索キーワードの調査は、『Googleキーワードプランナー』をはじめ、そのほかの専用ツールを活用することが可能です。
③コンテンツの作成
選定したキーワードを基に、ユーザーに役立つコンテンツを作成します。
「ユーザーが知りたい情報が不足している」「文章が読みにくい・分かりにくい」「競合サイトと同じような内容」のコンテンツは、検索エンジンに評価されにくくなります。
上位表示を狙うには、ユーザーの検索意図を深堀りして求められる情報を網羅するとともに、競合サイトの内容を分析して差別化を図ることが必要です。
▼評価されやすいコンテンツの要素
- ユーザーの興味関心を引くタイトルになっている
- 検索意図(キーワード)と提供する情報がマッチしている
- ユーザーが知りたい情報が網羅されている
- 写真や図表などで視覚的に分かりやすく構成されている
- 自社ならではの視点や独自情報(データ・事例など)が盛り込まれている
製造業においてユーザーのニーズがあるコンテンツには、以下が挙げられます。
▼製造業に効果的なコンテンツ例
| テーマ | コンテンツ例 |
| 技術解説 | 測定システム解析の実施ステップ マシンビジョンの活用方法 組立ラインを自動化する方法 |
| 課題解決 | 生産ラインの自動化でロスを削減する方法 不良の発生原因を特定するデータ分析のポイント |
| 事例紹介 | AI外観検査で歩留まりを改善した事例 自動化システムで省人化を実現した事例 予知保全によって安定稼働を実現した事例 |
| 実験データ | 材料別の耐熱温度の比較表 強度試験の結果 |
| 業界トレンド | 協働ロボット・ロボティクスの活用 産業用AIエージェントによる生産体制の変革 |
④サイト内部の技術的な施策
検索エンジンにWebページを正しく評価してもらうための技術的な施策を「SEO内部対策」「テクニカルSEO」と呼びます。
内部の技術対策が不十分になっていると、質の高いコンテンツを作成しても検索エンジンに発見されなかったり、内容が正しく伝わらなかったりして評価を得られなくなります。
以下の3つの要素でサイト内部の対策を行うことが必要です。
▼サイト内部の技術的な施策
| 3つの要素 | 目的 | 施策例 |
| 1.クロールの促進 | 検索エンジンの巡回でWebページを見つけやすくする | ・内部リンクの設置 ・XMLサイトマップの作成 ・パンくずリストの設置 |
| 2.インデックスの最適化 | Webページの内容が正しくデータベースに登録されるようにする | ・タイトルへのキーワード設置 ・メタディスクリプションの最適化 ・見出しタグ(h1.2.3)の設定 ・画像へのalt属性の設定 |
| 3.ユーザーエクスペリエンスの向上 | ユーザーが快適にWebページを閲覧・利用できるようにする | ・モバイルフレンドリーの対応 ・サイトスピードの高速化 ・図解やイラストの設置 |
⑤サイト外部の施策
検索エンジンの評価を高めるには、サイト外部のSEO施策も必要です。
サイト外部のSEO施策には、主に以下の2つが挙げられます。
▼サイト外部のSEO施策
| 施策 | 概要 |
| 被リンクの獲得 | ほかのサイト(製造業の業界メディアや公的機関など)に自社サイトのリンクを貼ってもらうこと |
| サイテーションの獲得 | 自社の会社名・製品名・サービス名などがSNSやWebメディアに取り上げられること |
被リンクを増やすと、検索エンジンによる評価の向上につながります。また、サイテーションを獲得することで、自社の認知度や信頼性の向上につながり、「社名」や「製品名」などによる指名検索が増えることが期待できます。
⑥効果測定の実施
製造業のSEOによって上位表示を目指すには、一度の施策で終わりではなく、定期的な効果測定と改善に取り組むことが欠かせません。
コンテンツの公開後に選定したキーワードで上位表示されない(表示順位が上がらない)場合には、課題を分析して構成の見直しやリライト、技術対策の強化を行います。
SEOの効果測定に用いられる主な指標には、以下が挙げられます。
▼効果測定の主な指標
| 指標 | 概要 | 測定結果がよくない主な原因 |
| 検索順位 | 検索されたキーワードでの表示順位 | ・コンテンツに対する評価の低さ ・キーワード検索数が多すぎる・少なすぎる ・技術的な対策の不足 |
| クリック数 | 検索結果に表示された際のクリック数 | ・タイトルの訴求力の不足 ・競合サイトとのタイトルの類似 |
| CV率 | 問い合わせや資料請求などにつながった割合 | ・ターゲットとコンテンツのミスマッチ ・情報の独自性や専門性の不足 ・CTA(行動喚起ボタン)の不足 ・入力フォームの分かりにくさ |
| エンゲージメント率 | ユーザーが“有益な行動”をしたセッションの割合 | ・検索意図とコンテンツのミスマッチ ・サイトスピードの遅延 |
| 平均エンゲージメント時間 | ユーザーがコンテンツを読んでいた時間 | ・検索意図とコンテンツのミスマッチ ・コンテンツの情報不足や理解のしにくさ |
製造業SEOで成果につなげるための対策ポイント
ここからは、製造業のSEOでキーワード選定やコンテンツ作成を行う際に押さえておきたいプラスαのポイントを紹介します。

テーマごとにピラーコンテンツをつくる
コンテンツに関する効果的な施策に「ピラーコンテンツの作成」が挙げられます。
特定の主要テーマを包括的に解説する「ピラー(柱)」となるメインコンテンツを作成して、それに関連するサブコンテンツを増やして内部リンクで連携させる手法を指します。
この戦略は「トピッククラスター」と呼ばれ、情報の網羅性・専門性を高めて検索エンジンの評価を高める効果が期待できます。コンテンツを増やすまでに時間を要しますが、検索ボリュームが大きく競合性の高いキーワードでの上位表示を狙いやすく、アクセス数の向上を目指せます。
▼製造業におけるトピッククラスターの設計例
| メインコンテンツ(ピラー) | サブコンテンツ |
| 切削加工の基礎知識 | ・材質ごとの加工方法 ・加工の種類ごとの特徴の深堀り ・マシニングセンタでできること など |
| 製造現場の自動化 | ・自動化の導入課題と解決策 ・自動化設備の種類 ・産業用ロボットのライン導入例 ・マシンビジョンの活用 など |
ロングテールキーワードも盛り込む
ロングテールキーワードは、3~4つの単語を組み合わせたキーワードのことです。
検索ボリュームが大きい「ビッグキーワード(10,000以上)」や中程度の「ミドルキーワード(約1,000〜10,000)」と比べて検索数は少ない傾向があります。
しかし、競合サイトが少なく、ニッチな課題・ニーズを持つターゲットにアプローチできるため、上位表示を狙いやすいのが特徴です。
例えば、「工場 自動化」という軸で上位表示を狙う場合には、「工場 自動化 組立 ロボット」や「工場 自動化 PLC 費用」などが考えられます。
▼ロングテールキーワードを設定する際にポイント
- ユーザーの検索意図を深堀りして、潜在的なニーズ・課題を洗い出す
- 自社の製品や技術に関連する専門的なワードを入れる
ホワイトペーパーを作成してダウンロードを促す
製造業のSEOによって集客したユーザーを、資料請求や問い合わせなどのアクションにつなげるために効果的な手法といえるのが「ホワイトペーパーの作成」です。
ホワイトペーパーは、顧客の課題解決に役立つ情報をまとめた資料を指します。コンテンツ内にホワイトペーパーのダウンロードを促すボタン(CTA)を設置することで、見込み顧客の獲得につなげられます。
▼ホワイトペーパーのテーマ例
- 自社製品・ソリューションの導入事例集
- 課題に応じた解決策の提案
- 製品やシステムの選定マニュアル など
サイト内のコンテンツだけでは伝えきれない詳細な情報や提案内容はホワイトペーパーを通じて提供することで、ダウンロードしてもらいやすくなります。
まとめ
製造業のSEOは、自社サイトへの集客数を増やして顧客との新たな接点を創出するために、重要な施策の一つです。
上位表示を目指すには、ターゲットの課題・ニーズに沿ったキーワード選定とコンテンツの作成、検索エンジンに正しく評価されるための技術的な対策が必要です。
「SEOに取り組んでいるけれど、アクセス数が伸びない」「資料請求や問い合わせまでつながらない」などの悩みをお持ちの方は、外部のサポートを受けることも一つの方法です。
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