WEB制作 2025年12月26日

ホームページのデザイン制作における代表的な方法を紹介!費用相場や依頼のポイントも解説

ホームページのデザインは、会社やブランドの印象を決定づける重要な要素の一つです。自社のコンセプトや世界観が視覚的に伝わる魅力的なデザインは、訪れたユーザーに対して好印象になるだけでなく、ビジネスにもよい影響を与えます。

今のホームページに「ユーザーがすぐに離脱してしまう」「なかなか資料請求や問い合わせにつながらない」などの課題がある場合には、デザインをリニューアルすることが有効です。

この記事では、ホームページのデザインをリニューアルするタイミングや制作の依頼方法、発注の失敗・トラブルを防ぐためのポイントについて解説します。

ホームページのデザインをリニューアルするタイミング

ホームページのデザインは、会社の第一印象とブランドイメージに大きく影響します。

古い印象に感じるデザインや、会社や商材の世界観が伝わらないデザインは、ユーザーの離脱を招き、問い合わせ・資料請求といった成果につながりにくくなります。

リニューアルを実施したほうがよいと考えられるタイミングは、以下のとおりです。

▼デザインリニューアルのタイミング

  • 公開してから長年放置している
  • アクセス数やコンバージョンが減少している
  • リブランディングを実施する など

現状のホームページで十分な成果が得られていない場合や、ブランドの価値を再定義して新しいメッセージを打ち出したい場合などは、デザインのリニューアルが有効といえます。

ホームページのデザイン制作を依頼する方法

ホームページのデザイン制作を依頼する方法は、大きく「Web制作会社」と「フリーランス」の2つに分けられます。サイトの規模や求める品質、予算などに応じて選択することが必要です。

方法1|Web制作会社に依頼する

Webサイトの制作を専門とする事業者に依頼する方法です。

企画の立案からデザインの制作、実装まで一貫して依頼できることが特徴です。また、ディレクターやWebデザイナー、ITエンジニアなどの複数のチームメンバーによってプロジェクトを進行するため、大規模なプロジェクトや複雑な要件にも対応してもらえます。

▼Web制作会社に依頼するメリット・デメリット

メリットデメリット
  • 企画から実装までワンストップで依頼できる
  • 独自性や個性のある戦略的なデザイン制作が期待できる
  • チーム体制のため、連絡や納期のトラブルが起こりにくい
  • 発注費用が高くなりやすい
  • 制作会社によって得意分野や提案力、実績数が異なる

方法2|フリーランスのWebデザイナーに依頼する

フリーランスとして活躍しているWebデザイナーに依頼する方法です。

個人と契約する仕組みとなるため、自社のニーズに応じて柔軟に案件を依頼できます。主に一部のページや小中規模サイトのデザイン制作を行う場合に依頼されています。

Webデザイナー向けのクラウドソーシングやジョブエージェントを活用することで、依頼したい作業内容や条件に合うWebデザイナーを効率的に見つけられます。

▼フリーランスに依頼するメリット・デメリット

メリットデメリット
  • 発注費用を抑えられる
  • デザイン制作のみを依頼できる
  • 依頼できる作業範囲が限定される
  • 自社でディレクションや進行管理が必要になる
  • Webデザイナーによってスキルや経験の差が大きい

ホームページのデザイン制作にかかる費用の相場

ホームページのデザイン制作にかかる発注費用は、サイトの規模やデザインのこだわりなどによって大きく変動します。一般的な相場は、以下のとおりです。

▼【サイトの種類別】デザイン制作の費用相場

サイトの種類一般的な費用相場
シンプルなサイト(5~10ページ)10万円~50万円
標準的な企業サイト(10~30ページ)50万円~200万円
戦略的なマーケティングサイト(30~50ページ)200万円~500万円
大規模コーポレートサイト(50ページ以上)500万円~2000万円

ページ数が多くなるほど追加する機能やコンテンツ数が増加することから、費用相場も高額になります。見込み顧客の獲得やブランディングなど目的にホームページを運用する場合には、戦略的なマーケティングサイトとしての設計が求められます。

ホームページのデザイン制作を依頼する流れ

ここからは、ホームページのデザイン制作を依頼する流れを解説します。状況やケースにもよりますが、デザイン制作の流れは大きく7つのステップに分けられます。

  • RFP(提案依頼書)を作成する
  • デザインのイメージを言語化する
  • デザイン制作に必要な素材を用意する
  • 依頼先を選定する
  • 打ち合わせを行いプロジェクトの計画を立てる
  • デザイン制作を開始する
  • テスト・最終調整を経て公開する

各ステップについて、順番に見ていきましょう。

①RFP(提案依頼書)を作成する

デザイン制作を発注する際は、「RFP(提案依頼書)」を作成します。RFPは、発注企業が自社の要望や制作会社に提案してほしいことを記載する文書のことです。

RFPを作成することで、自社の要望や課題に合った提案を受けられるほか、制作会社との認識を統一してプロジェクト開始後のトラブルを防止できます。

ホームページのデザイン制作を依頼する際の記載項目には、以下が挙げられます。

▼主な記載項目

  • デザインの制作・リニューアルの目的
  • ターゲットとするユーザー層
  • 現状の課題
  • 達成したいゴール
  • デザイン制作の依頼範囲
  • 希望するデザインのトーン&マナー

RFPの記載項目や書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

関連ページ:RFP(提案依頼書)の書き方を説明。ホームページ制作の発注で失敗しないための3つのポイントも解説

②デザインのイメージを言語化する

委託する制作会社やWebデザイナーに自社のニーズを汲み取ってもらうために、デザインのイメージを言語化しておきます。

ビジュアル的な要素だけでなく、「見た人にどのように感じてほしいか」「どのような世界観を表現したいか」を言葉で伝えることが重要です。

▼【具体例】イメージの伝え方

  • 信頼・安定・誠実といった印象を持ってもらいたい
  • 先進的・革新的で未来志向な世界観を表したい など

また、イメージに近いホームページやWebデザインの資料を用意しておくと、制作担当者に感覚的なニュアンスが伝わりやすくなります。

③デザイン制作に必要な素材を用意する

発注企業側でデザイン制作に使用する素材を用意します。

▼用意する素材の例

  • 企業のロゴデータ
  • 商材・施設・人物の写真ファイル
  • 会社や商材に関する情報をまとめたテキスト
  • ブランドガイドライン など

素材をリストアップして共有する準備をしておくことで、プロジェクトの開始後に制作担当者がスムーズにデザイン制作に取り掛かることができます。

④依頼先を選定する

デザイン制作を依頼する複数の候補を選定して、RFPを提出します。

RFPの内容に沿って提示された提案書の内容に基づいて社内で評価を行い、決定した制作会社やWebデザイナーと契約を締結します。

▼選定時にチェックすること

  • RFPで提示した要件や条件を満たしているか
  • 課題の解決や目標達成のためのデザイン戦略を提示しているか
  • 自社の業界・業種や理想とするイメージに近い実績があるか など

⑤打ち合わせを行いプロジェクトの計画を立てる

デザイン制作の委託契約を締結したあとは、制作担当者との打ち合わせを行い具体的なプロジェクトの計画を立てます。

制作段階での手戻りや納期の遅延といったトラブルを防ぐには、この段階で発注企業と依頼先との認識をすり合わせておくことが重要です。

▼プロジェクトの計画で行うこと

  • 要望・課題に関する情報共有
  • デザインコンセプトの策定
  • デザイン案の選定
  • 今後の連絡体制の決定
  • 制作スケジュールの調整 など

⑥デザイン制作を開始する

プロジェクトの内容が固まったら、デザイン制作の作業が開始されます。デザイン制作に関する作業は、主に3つのプロセスで進められます。

▼デザイン制作の流れ

プロセス作業内容
1.ワイヤーフレームの作成各ページに配置する見出し・画像・写真・テキストのレイアウトと掲載する情報を視覚化した設計図を作成する
2.デザインの設計ワイヤーフレームに沿って色・フォント・イラストなどのビジュアル要素をツールを用いて設計する
3.コーディング完成したデザインをWebブラウザ上で表示・動作させるために、コードを入力して実装する

ワイヤーフレームの作成段階で発注企業がチェックを行い、デザインのイメージやレイアウトなどに問題がある場合は修正を依頼します。

また、デザイン制作中もこまめに進捗状況の確認とフィードバックを行い、納品後に大幅な修正が生じないように進行します。

⑦テスト・最終調整を経て公開する

デザインの実装が完了したら、テストを実施して「ホームページが正常に動作するか」「レイアウトが意図した通りに反映されているか」などのチェックが行われます。

問題が見つかった場合は、依頼先で最終調整を行ってから発注企業のもとへ納品されます。

▼テストでの主なチェック項目

  • ページの表示や画像の読み込み
  • ページの表示速度
  • レイアウトのずれ
  • テキストの配置・大きさ など

テストの実施後、発注企業が完成したデザインを確認して、必要に応じて修正を依頼します。すべての修正対応が終わったらホームページの公開となります。

ホームページのデザイン制作を依頼する際の6つのポイント

ホームページのデザイン制作を依頼する際は、制作物のクオリティや追加費用、修正依頼などに関するさまざまなトラブルが起きることがあります。

トラブルを回避するために発注企業が押さえておくポイントを紹介します。

ポイント1. 自社の業界・業種で制作実績が豊富な依頼先を選ぶ

自社の業界・業種での制作実績が豊富な依頼先を選ぶことがポイントです。

制作会社によって得意とする業界や分野が異なります。自社に近い企業のホームページ制作の実績が豊富な制作会社を選ぶことで、業界特有のニーズ・課題を汲み取った提案や、商材の強みを表現するデザイン案を提示してくれる可能性が期待できます。

契約を締結する前に制作会社のWebサイトや提案資料を調べて、過去の制作実績を確認しておくことが重要です。

ポイント2. 見積もりの内訳を確認する

費用に関するトラブルを避けるために、契約前の段階で見積もりの内訳を確認します。

「依頼した範囲以外の費用が含まれていないか」「不明瞭な費用はないか」などをチェックします。費用区分が大まかになっていて内訳が不明瞭な場合は、担当者に聞いたうえで書面に明記しておくことが大切です。

見積もりに関する費用項目の表記や区分は制作会社によって異なりますが、一般的な費用として以下が挙げられます。

▼デザイン制作にかかる費用項目の一例

  • 企画作成費
  • 提案・コンサルタント費
  • ディレクション費
  • ワイヤーフレーム設計費
  • トップページデザイン費
  • 下層ページデザイン費
  • コーディング費 など

Webサイトの分析や競合調査、写真撮影、イラスト・動画の制作などは、オプション費用となることが一般的です。

ポイント3. 修正回数や範囲を明確にしておく

デザイン制作の修正を依頼する際に、追加費用が発生するケースがあります。

契約前に「どのような場合に修正に応じてもらえるか」「無償で依頼できる修正回数や範囲はどうなっているか」を確認して、契約書面に明記しておくことがポイントです。

また、修正を依頼する際は、無償範囲に含まれるのか確認するとともに、有償の場合は都度見積もりを提示してもらうようにします。

修正回数や範囲について取り決めをしておくことで、予期せぬ追加費用によって予算がオーバーしてしまうトラブルを防止できます。

ポイント4. 報告頻度や連絡手段を取り決めておく

ホームページのデザイン制作を発注するにあたっては、プロジェクトの開始後にも制作担当者との複数回のやり取りが発生します。

進捗状況の共有や修正時のフィードバックなどをスムーズに進めるために、事前に報告頻度や連絡手段を決めておくことがポイントです。

▼報告や連絡に関する取り決めの具体例

  • 週に1回○曜日にチャットでの進捗連絡を行う
  • 確認・修正の依頼は○○担当宛てにチャットで連絡する
  • 第1・第3水曜日にWebでの定例会議を実施する など

ポイント5. 修正のフィードバックは客観的かつ的確に伝える

デザイン案が提出されたときや制作過程での修正プロセスでは、制作担当者に対するフィードバックを客観的かつ的確に伝えることが重要です。

「なんとなく気に入らない」「もっとおしゃれに」といった主観的な表現は、依頼先のデザイナーによって受け取り方が変わるため、再修正が発生してしまう可能性があります。

修正を依頼する際は、自社の意図が明確に伝わるように、具体的な指示と理由をセットで伝えることがポイントです。

▼修正を依頼する際の伝え方

  • CVRの向上のために問い合わせボタンと背景の色を変えて目立たせてほしい
  • ファーストビューで自社の実績を強調するキャッチコピーを入れたい
  • フォントをもっと太く・丸くして柔らかい印象にしたい など

ポイント6. 成果物に対する著作権を確認する

納品されたホームページのデザインやソースコードの著作権がどちらに帰属するか、契約書を確認しておく必要があります。

通常、著作権は制作を行ったデザイナーや制作会社に帰属しますが、費用を支払うことによってその権利を譲渡してもらうことが一般的です(契約費用に含まれるケースもあり)。

自社でホームページの運用を行い、将来的な法律トラブルを防ぐために、発注企業に著作権が譲渡されるように取り決めておくと安心です。

▼著作権について確認しておく項目

  • 著作権の帰属先が発注企業になっているか
  • 譲渡されない場合、二次利用や改変はどこまで制限されるか
  • 譲渡にかかる費用は見積もり内容に含まれているか など

まとめ

ホームページのデザインは、自社の強みや商材のコンセプト、理念などを視覚的に表現するために重要です。ホームページを活用して効果的に情報を発信できると、企業価値の向上につながります。

外部に発注する際は、RFPでデザインに関する要望を具体的に提示して、イメージをすり合わせておきましょう。また、制作過程でのトラブルを避けるために、依頼内容や契約条件について明確に取り決めておくといったコミュニケーションが欠かせません。

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