WEB制作 2025年12月23日

社内ポータルサイトの作り方|費用・CMS選定・構築手順を解説

社内ポータルサイトは、社内の情報を一元管理し、業務効率化やコミュニケーション活性化を実現するWebサイトです。

本記事では、初めて社内ポータルサイトを作る担当者向けに、必要な機能、CMS選定、構築手順、費用相場、制作会社の選び方まで網羅的に解説します。

社内ポータルサイトとは?

社内ポータルサイトとは、社内の情報やシステムへのアクセスを一元化したWebサイトです。従業員が必要な情報にすぐアクセスでき、業務効率化や情報共有の促進に役立ちます。

ポータルの語源と意味

「ポータル(Portal)」は英語で「玄関」「入口」を意味します。社内ポータルサイトは、社内の様々な情報やシステムへの「入口」となるサイトです。

社内ポータルサイトが必要な理由

企業の成長に伴い、社内情報は増え続けます。メール、共有フォルダ、紙の資料など、情報が様々な場所に散在していると、必要な情報を探すだけで多くの時間を浪費してしまいます。社内ポータルサイトがあれば、情報を一元管理でき、誰でも素早く必要な情報にアクセスできます。

社内ポータルサイトが必要な理由

社内ポータルサイトの役割をまとめると以下のようになります。

  • 情報の一元管理:社内規程、マニュアル、業務連絡などを1箇所に集約
  • 業務効率化:必要な情報への素早いアクセスで時間短縮
  • コミュニケーション促進:掲示板や社内SNS機能で情報交換を活性化
  • ナレッジ共有:社内のノウハウやベストプラクティスを蓄積・共有
  • セキュリティ強化:アクセス権限を設定し、機密情報を適切に管理

社内ポータルサイトに必要な機能

社内ポータルサイトには、情報共有・業務効率化・コミュニケーション促進の観点から、以下の機能が求められます。用途や規模に応じて必要な機能を選定しましょう。

機能カテゴリ主な機能目的
情報共有ニュース・お知らせ、ファイル共有、社内Wiki最新情報の周知、資料の一元管理
業務効率化ワークフロー、カレンダー、タスク管理申請業務のデジタル化、スケジュール共有
コミュニケーション掲示板、社内SNS、チャット部署間の情報交換、質問・相談
検索全文検索、タグ検索必要な情報への素早いアクセス
権限管理ユーザー認証、アクセス権限設定情報セキュリティの確保

お知らせ・ニュース機能

経営層からのメッセージ、人事異動、イベント情報などを掲載し、全社員に周知します。

ファイル共有機能

マニュアル、テンプレート、議事録などのファイルをアップロードし、社員が自由にダウンロードできます。

社内Wiki・FAQ機能

業務ノウハウや製品知識をWiki形式で蓄積し、誰でも閲覧・編集できます。FAQ機能で、よくある質問への回答を掲載します。

検索機能

社内ポータルサイト内のコンテンツを全文検索できる機能です。キーワードやタグで素早く情報を見つけられます。

社内ポータルサイトのデザイン・レイアウト例

社内ポータルサイトのデザインは、使いやすさと情報の見つけやすさが重要です。以下、代表的なレイアウト例を紹介します。

シンプルな1カラムレイアウト

お知らせやニュースを縦に並べるシンプルなデザインです。情報量が少ない場合や、シンプルさを重視する場合に適しています。

2カラムレイアウト(サイドバー型)

片側にメニュー、もう片側にコンテンツを配置するレイアウトです。左サイドバー型と右サイドバー型があります。カテゴリ分けが必要な場合や、ナビゲーションを常に表示したい場合に適しています。

ダッシュボード型レイアウト

トップページに複数のウィジェット(お知らせ、カレンダー、タスクなど)を配置し、一目で情報を把握できます。情報量が多い場合や、複数の情報を同時に確認したい場合に適しています。

デザインのポイント

社内ポータルサイトは毎日多くの従業員が利用するため、使いやすさを重視したデザインが不可欠です。以下のポイントを押さえましょう。

  • シンプルで直感的: 誰でも迷わず操作できるUI
  • スマホ対応: 外出先からもアクセス可能
  • 検索しやすい: メインメニューや検索窓を目立つ位置に配置
  • ブランドカラーの活用: 企業のコーポレートカラーを使い統一感を出す

社内ポータルサイトを作る3つの方法

社内ポータルサイトの構築方法は、大きく分けて「ノーコードツールで自作」「CMSで構築」「スクラッチ開発」の3つです。企業規模、予算、必要な機能に応じて最適な方法を選びましょう。

構築方法向いている企業
ノーコードツールで自作小規模(50人以下)、予算が限られる
CMSで構築中規模(50〜300人)、デザインや独自機能が必要
スクラッチ開発大規模(300人以上)、既存システムとの連携が必須

ノーコードツールで自作

プログラミング不要で社内ポータルサイトを構築できるツールです。小規模企業や予算が限られる場合に適しています。代表的なツールとしてはGoogle Sitesがあります。

Google Sites
Google Workspaceの契約があれば無料で利用可能。お知らせやファイル共有などシンプルなポータルサイトを作成できます。

出典:Google サイトテンプレート

メリット
・完全無料(Google Workspace契約があれば)
・専門知識不要
・短期間で立ち上げ可能

デメリット
・デザインカスタマイズはできない
・高度な機能は実装できない

CMSで構築

WordPress、SharePointなどのCMSをベースに構築する方法です。デザインや独自機能が必要な中規模企業に適しています。自社で構築することも可能ですが、Web制作会社に外注するケースが一般的です。

WordPress
オープンソースの無料CMSで、デザインの自由度が高い。ライセンス費用は不要(サーバー費用は別途必要)。

出典:WordPress.comビジネスサイトにぴったりな無料テーマを見つけよう

メリット
・ソフトウェア自体は無料
・デザインの自由度が高い
・豊富なプラグインで機能拡張が可能
・専門知識がなくても運用しやすい管理画面

デメリット
・外注する場合は制作費用が発生
・サーバー・ドメイン費用は別途必要
・構築に2〜4ヶ月程度かかる

SharePoint
Microsoft 365の一部として提供されるCMSです。既にMicrosoft 365を利用している企業なら導入しやすく、月額ライセンス費用が必要です。自社で構築することも可能ですが、独自の複雑な機能開発や、全社規模の高度なセキュリティ設計が必要な場合は、システム会社やSIerに依頼するケースが一般的です。

引用:Microsoft 公式サイト:SharePoint とは?機能やメリット、使い方を解説

メリット
・Microsoft 365との連携がスムーズ
・既存のMicrosoft環境を活用できる
・大企業でも使えるレベルのセキュリティ機能

デメリット
・月額ライセンス費用が必要
・外注する場合は費用が発生
・構築に2〜4ヶ月程度かかる

スクラッチ開発

要件に合わせてゼロからシステムを開発する方法です。大規模企業や、既存の基幹システムとの連携が必須の場合に適しています。開発会社に依頼するのが一般的です。

メリット
・完全オリジナルの機能を実装可能
・既存システムとの高度な連携が可能
・自社の業務フローに完全に合わせた設計が可能

デメリット
・費用が高額(一般的に300万円以上)
・開発期間が長い(4ヶ月以上)
・保守コストも継続的に発生

社内ポータルサイト構築の費用相場

社内ポータルサイトの費用は、構築方法、規模、機能によって大きく異なります。以下、一般的な費用相場の目安です。

構築方法想定規模費用相場期間
ノーコードツールで自作小規模(50人以下)無料〜数万円/月(人件費別)数週間
CMS構築中規模(50〜300人)自作は無料、外注すると50万円から300万円1〜2ヶ月
スクラッチ開発大規模(300人以上)一般的に300万円以上4ヶ月〜

費用の内訳
外注した場合の、社内ポータルサイト構築費用には以下が含まれます。

  • 要件定義・設計:必要な機能やデザインの洗い出し
  • デザイン制作:UI/UXデザイン、ロゴやアイコン作成
  • 開発・実装:コーディング、機能実装、CMS構築
  • テスト:動作確認、セキュリティチェック
  • 運用保守:公開後のサポート、トラブル対応

コストを抑えるポイント

  • 必要最低限の機能から始める(後からの追加開発も可能)
  • 既存のCMSやテンプレートを活用: フルスクラッチより低コスト
  • 段階的にリリース: 最初は小規模で始め、徐々に拡張

社内ポータルサイト構築の7ステップ

社内ポータルサイトを成功させるには、計画的な進め方が重要です。以下、構築の基本的な流れを7ステップで解説します。

STEP1: 目的と要件を明確にする

まず「なぜ社内ポータルサイトが必要か」を明確にします。情報共有の効率化、業務フローの改善、コミュニケーション活性化など、具体的な目的を設定しましょう。

STEP2: 必要な機能を洗い出す

目的に応じて必要な機能をリストアップします。お知らせ、ファイル共有、掲示板、ワークフローなど、優先順位をつけて整理します。

STEP3: 構築方法を選定する

ノーコードツール、CMSで構築、スクラッチ開発の中から、予算・規模・機能に合った方法を選びます。

STEP4: デザイン・設計を行う

サイトマップやワイヤーフレームを作成し、画面レイアウトや導線を設計します。使いやすさを重視したUI/UXデザインを心がけましょう。

STEP5: 開発・実装

設計に基づいてコーディングや機能実装を行います。外注の場合は、制作会社と密に連携しながら進めます。

STEP6: テスト・検証

公開前に動作確認を行います。リンク切れ、表示崩れ、セキュリティの脆弱性がないかチェックします。

STEP7: 運用・改善

公開後は定期的にコンテンツを更新し、ユーザーの声を反映して改善を続けます。アクセス解析で利用状況を把握し、使われていない機能は見直しましょう。

失敗しない3つのポイント

社内ポータルサイトの構築でよくある失敗を避けるため、以下のポイントを押さえましょう。

ポイント1: 目的を明確にする

「とりあえず作る」では失敗します。何のために作るのか、誰が使うのか、どんな課題を解決するのかを明確にしましょう。

ポイント2: 運用体制を整える

公開して終わりではありません。誰がコンテンツを更新するのか、トラブル時の対応は誰が行うのか、運用ルールを事前に決めておきましょう。

ポイント3: 段階的にリリースする

最初から完璧を目指すと時間とコストがかかりすぎます。必要最低限の機能でスタートし、ユーザーの反応を見ながら改善していく方が成功しやすいです。

制作会社を選ぶ5つのポイント

社内ポータルサイトを外注する際、制作会社選びは成功の鍵です。以下のポイントを参考に選定しましょう。

ポイント1: 技術力と開発手法

WordPress、SharePointなどのCMSカスタマイズや、フルスクラッチ開発の実績があるか確認しましょう。技術力が高い会社は、複雑な要件にも対応できます。

ポイント2: 提案力とヒアリング力

自社の課題をしっかりヒアリングし、最適な構築方法や機能を提案してくれるかが重要です。単に言われた通りに作るだけでなく、プロの視点でアドバイスしてくれる会社を選びましょう。

ポイント3: サポート体制

公開後の運用サポート、トラブル対応、追加開発に対応してくれるかを確認しましょう。長期的なパートナーとして付き合える会社が理想です。

ポイント4: 運用・保守の充実度

公開後の更新作業、トラブル対応、追加機能の開発など、長期的なサポート体制が整っているかを確認しましょう。社内ポータルサイトは運用が長期にわたるため、継続的に相談できるパートナーを選ぶことが重要です。

ポイント5: 費用の透明性

見積もりが明確で、追加費用の発生条件が事前に説明されているかを確認しましょう。曖昧な見積もりは後でトラブルになりがちです。

まとめ

社内ポータルサイトは、情報の一元管理と業務効率化に欠かせないツールです。構築方法は「ノーコードツールで自作」「CMSで外注」「スクラッチ開発」の3つがあり、企業規模や予算に応じて選びましょう。

成功のポイントは、目的を明確にし、運用体制を整え、段階的にリリースすることです。外注する場合は、技術力、提案力、サポート体制を重視して制作会社を選びましょう。

TMCデジタルの強み
TMCデジタルは、自社開発のポータルサイトを実際に使用しているため、運用上の課題や改善ポイントを熟知しています。また、WordPressからフルスクラッチ、システム連携まで幅広く対応可能であり、要件定義から運用まで丁寧にサポートさせていただきます。

詳しい費用やご相談は、お気軽にお問い合わせください。お客様に最適な構築方法をご提案いたします。

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