WEB集客 2026年2月25日

製造業(BtoB)向けカスタマージャーニーマップの作り方とは?メリットや具体例を解説

専門性が高い製品を扱うことが多いBtoBの製造業では、「いい物を作れば、顧客がついてくる」という考えのもと、長らく既存顧客へのルート営業を中心とする企業が多く見られました。

しかし、顧客の購買行動がデジタル化する現代において、インターネットを活用した新規開拓の重要性が高まっています。現代の購買担当者の多くは、メーカーの営業担当者に接触する前にオンラインでリサーチを行い、比較検討の大部分を済ませていると言われているからです。

そこで重要になるのが「カスタマージャーニーマップ」です。 本記事では、製造業におけるカスタマージャーニーマップの作り方や、作成したマップをWebサイトの施策にどう落とし込むかという実践的なノウハウまで詳しく解説します。

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カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーとは、見込み顧客が自社の製品やサービスを認知してから、比較検討、そして購入や導入に至るまでの一連のプロセスを「旅(ジャーニー)」に見立てて捉える概念です。

そのプロセスにおける顧客の行動、思考、感情、企業との接点(タッチポイント)を時系列で整理し、視覚的に図式化したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

 

BtoCとBtoB(製造業)における違い

カスタマージャーニーマップは、BtoC(一般消費者向け)とBtoB(企業向け)で大きく性質が異なります。 BtoCの場合は個人が購入を決定し、直感的な購買もあり得ますが、BtoB製造業の場合は意思決定プロセスが非常に複雑です。その違いを以下の表にまとめました。

比較項目BtoC(一般消費者向け)BtoB(製造業向け)
意思決定者本人または家族現場担当者、部門長、役員など複数人
検討期間短期(直感的な即決もあり得る)長期(数ヶ月〜年単位に及ぶ)
判断基準感情、直感、個人の好み論理的な費用対効果(ROI)、スペック、信頼性、納期
プロセス比較的単純(認知→購入)複雑(情報収集→社内検討→稟議→決裁)
顧客の心理欲しい、楽しみたい失敗したくない、社内を説得したい、課題を解決したい

このように、BtoBでは導入に伴うリスクや費用対効果が論理的に厳しく評価されるため、検討期間が長期にわたることも珍しくありません。

 

BtoB特有の複雑なプロセスをマップにどう落とし込むか?

この複雑なプロセスに対応するため、BtoBのカスタマージャーニーマップでは以下の工夫が必要です。

「担当者」と「決裁者」のペルソナを分ける: 情報収集を行う現場担当者(機能や使い勝手を重視)と、最終決定を下す役員(費用対効果やリスク回避を重視)では求める情報が異なります。ターゲットが複数いる場合は、役割ごとにペルソナを分けて設定することが重要です。

「稟議・社内説得」のフェーズを設ける: マップの段階に「比較・評価(稟議)」というBtoB特有のフェーズを組み込みます。その上で、現場担当者が上司を説得するための客観的な材料(費用対効果の試算シート、他社との比較表、導入事例など)を企業側から提供するような接点を設計します。

▼ 関連記事 カスタマージャーニーの基盤となる自社ホームページの役割については、こちらをご覧ください。製造業・メーカーにホームページは必要なの?制作する意味や制作しない方がいい企業の特徴を紹介!

※BtoB特有の複雑な購買プロセスを整理・分析し、自社に最適なWebサイトを設計したい方はお気軽にご相談ください。

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なぜ製造業にカスタマージャーニーマップが必要なのか?

1. 顧客の購買行動のデジタル化への対応

先述の通り、BtoBの購買担当者の多くは、オンラインでリサーチを行い、比較検討の大部分を済ませています。 営業担当者が商談に持ち込んだ段階では、すでに導入候補が絞り込まれていることも少なくありません。

顧客の目に見えない検討プロセスをマップ化することで、営業が接触する前のデジタル上の接点(Webサイトなど)を最適化し、見込み顧客を適切に育成することが可能になります。

2. 組織全体での「ベクトル合わせ」ができる

製造業はこれまで、既存顧客への「ルート営業」を中心とする企業が多く、顧客への情報提供や関係構築は、主に営業担当者が現場で担う傾向にありました。

しかし現在、新規開拓においては「マーケティング部門がWeb上で初期接点を持ち、購買意欲の高まった見込み客を営業部門へ引き継ぐ」という新しい連携が求められています。

カスタマージャーニーマップを作成することで、「顧客がWebでどのような情報を調べ(マーケティングの領域)、どのタイミングで商談を望むのか(営業の領域)」というプロセスを可視化できます。 これにより、部門間の認識のズレを防ぎ、組織全体で一貫したアプローチで顧客をリレーすることが可能になります。

▼ 関連記事 Webマーケティングの全体戦略設計については、こちらのガイドラインも参考にしてください。製造業Webマーケティング完全ガイド|成果が出る7施策と始め方

※「どこから手を付けるべきか分からない」とお悩みの場合は、戦略構築のサポートも可能です。

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製造業向けカスタマージャーニーマップの作り方・5つの手順

手順1. 目的とゴールの明確化

まずは、何のためにマップを作成するのか目的を定めます。 単なる可視化で終わらせず、「問い合わせを増やす」「商談化率を上げる」など、最終的なゴールをどこに設定するかを関係者間で明確にしておきましょう。

手順2. ペルソナ(顧客像)の設定

製品を購入してほしい理想の顧客像(ペルソナ)を設定します。 製造業の場合、一般的なBtoCで用いるような年齢や趣味といった情報よりも、「業務上の悩みや仕事スタイル」「決裁権を持っているか」といった実務的な情報を解像度高く設定することが極めて重要です。

手順3. 購買プロセス(フェーズ)の設定

顧客の検討段階を区分します。 一般的には「認知」「興味・関心」「検討」「比較・評価」「購入(導入)」「継続利用」といったフェーズに分け、自社の商材に合わせてカスタマイズします。

手順4. 顧客の行動・思考・感情の洗い出し

設定したフェーズごとに、ペルソナが「どのような行動をとり、どんな感情を抱えているか」を整理します。 例えば「失敗したくない」と不安に思っている、社内を説得できる根拠が欲しい、といった具体的な顧客心理を洗い出します。

手順5. タッチポイントの整理とマーケティング施策の割り当て

顧客の行動や悩みに対して、自社が提供できる接点(タッチポイント)やコンテンツを割り当てます。 自社Webサイト、展示会、カタログ、営業面談など、どこでどのような情報を提供すれば顧客の悩みを解決できるかをマップに落とし込みます。

▼ 関連記事 ジャーニーに沿って「どんなコンテンツを発信すべきか」を深掘りしたい方は、こちらの記事がおすすめです。 製造業のコンテンツマーケティングの重要性や活用するメリットとは?

※「自社に合ったペルソナ設定が難しい」「どのコンテンツを作るべきか迷っている」という方へ向けた伴走支援はこちらです。

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【実践編】作成したカスタマージャーニーをWeb施策に落とし込む方法

カスタマージャーニーマップは「作って終わり」ではなく、実際のWebサイト運用やマーケティング施策に連動させてこそ真価を発揮します。ここでは、マップを具体的なアクションに繋げるための2つのポイントを解説します。

検討フェーズに合わせたWebコンテンツの配置

ジャーニーの各段階にいる顧客の「情報ニーズ」を満たすため、Webサイト上に適切なコンテンツを配置しましょう。BtoB製造業の顧客は、検討が進むにつれて求める情報の専門性や具体性が変化します。以下の表のように整理すると、いつ・どのようなコンテンツを強化すべきかが一目でわかります。

施策・項目認知・関心情報収集比較・検討決定・購入
顧客のニーズ課題解決のヒントが欲しい具体的な製品の特長を知りたい導入の妥当性・実績を確認したい最終的な仕様やサポートを知りたい
Webコンテンツお役立ちブログ、用語解説、初心者向けガイド製品一覧、課題別ソリューション、スペック表導入事例、他社比較表、FAQ(よくある質問)詳細スペックシート、見積もり、サポート体制
展示会からの誘導パネルのQRコードから解説記事へ誘導お礼メールで製品詳細ページURLを案内カタログから詳細事例集PDFのDLページへ誘導相談内容に合わせた技術資料を限定送付
施策の狙い自社サイトへの「初動」を作る興味を「自分事」化させる「信頼」を獲得し、稟議を後押し営業(商談)への「橋渡し」

展示会(オフライン)とWebサイト(デジタル)を連動させる動線設計

製造業において「展示会」は現在でも重要な集客チャネルですが、来場者の多くは「その場での購入」ではなく「将来的な検討のための情報収集」が目的です。

展示会で獲得した見込み顧客の名刺情報を放置せず、速やかにお礼メール等を配信して自社サイトの関連ページへ誘導しましょう。オフラインで接点を持った顧客に対し、オンライン上で継続的なコミュニケーションを図る「受け皿」としての動線設計が、長期的な案件化には不可欠です。

▼ 関連記事 展示会後のフォローや、継続的な情報発信にはメールマーケティングの活用が効果的です。 製造業メールマーケティングとは?始め方5ステップと成功法を解説

※展示会と連動したWebマーケティング施策についてもご相談ください。

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カスタマージャーニーマップ作成時の注意点

企業の憶測や願望で作らない

最もよくある失敗が、客観的な事実ではなく「企業にとって都合の良い顧客像やストーリー」を描いてしまうことです。 顧客の実際の検索行動データや、営業担当者が現場で聞くリアルな声を反映させ、顧客視点を徹底しましょう。

「作って終わり」にせず、定期的なPDCAとアップデートを行う

市場環境や顧客のニーズは常に変化しています。 一度作ったマップを放置すると、現実の顧客行動と乖離してしまいます。 フェーズごとにKPIを設定し、定期的に効果検証とマップのアップデートを繰り返すことが重要です。

▼ 関連記事 マップに沿った施策が機能しているか、Webサイトのデータを分析して改善に繋げる方法はこちらをご覧ください。 製造業ホームページで問い合わせが増えない原因と対策|GA4診断から改善まで

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まとめ

製造業におけるWebマーケティングの成功は、顧客の複雑な購買プロセスを正確に理解し、適切なタイミングで適切な情報を提供する「カスタマージャーニー」の設計にかかっています。 まずは自社のペルソナを明確にし、顧客視点に立ったマップ作成から始めてみましょう。

「自社の製品に合ったジャーニーマップを作りたい」 「マップを作ったものの、Webサイトのコンテンツにどう反映させればいいか分からない」 「リード(見込み客)をもっと獲得できるWebサイトにリニューアルしたい」

とお悩みの場合は、ぜひTMCデジタルにご相談ください。 長年培った豊富なノウハウと提案力で、BtoB企業・製造業特有の課題に寄り添い、Webサイトの制作・リニューアルから運用、デジタルマーケティングまで伴走支援いたします。

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