ひどいホームページ制作会社はどう見抜く?トラブル例や対策まで解説
Webサイトの制作・リニューアルを実施するにあたっては、提示した条件を基に要望を反映してくれる質の高いホームページ制作会社を選ぶことが大切です。
しかし、制作会社のなかには悪質な事業者やクオリティに問題がある事業者も存在します。実際に「ひどいホームページ制作会社を選んでしまい、コストと時間の損失が起きてしまった」といった失敗例も見られています。
企業担当者のなかには、「高額な予算をかけたのに、質の悪いサイトになったらどうしよう」「納期の遅延や追加費用の請求などが起きないか」と不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ホームページ制作会社のひどいトラブル例を踏まえつつ、発注側が事前に行える対策や悪質な事業者を見抜くポイントまで解説します。
ホームページ制作会社のひどいトラブル例
ホームページ制作会社とのトラブルの多くは、契約内容や想定していたクオリティと相違が生まれることによって生じています。制作過程や納品後に発生しやすいトラブルには、以下が挙げられます。

例1|高額な追加費用を請求される
ホームページの制作過程や完成後に高額な費用を請求されるケースです。契約前に詳細な仕様を決めていなかったり、オプション費用や修正費用などを確認していなかったりする場合に起こりやすいトラブルといえます。
▼追加費用の請求例
- 修正依頼の内容・回数が無償範囲を超えていた
- プロジェクトの途中解約を申し出た際に、高額な違約金が発生した
- 制作中に仕様変更や機能追加を依頼した
見積もりの金額に差があり大幅に予算を超過してしまった場合には、予算計画の修正や経理部門・経営層への報告などが必要になったり、プロジェクトの継続が難しくなったりする可能性があります。
例2|デザインのクオリティが低い
納品されたサイトのデザインが想定していたクオリティよりも低く、「費用が見合っていない」と感じるケースです。デザインに関するよくある失敗例には、以下が挙げられます。
▼デザインに関する失敗例
- 想定していたイメージと大幅に違うデザインになっている
- 配色やロゴ、イラストなどが古く感じる
- ほかの企業のサイトとよく似ている など
制作会社によって得意とする業界や商材、ITエンジニアの技術力は異なるため、「費用が安いから」「どこに依頼しても同じ」といった理由で選ぶと失敗しやすくなります。
例3|サイトに不具合がある
納品されたサイトの品質や機能に問題があるケースです。このトラブルは、制作会社の技術力が不足していたり、テストやチェック体制に問題があったりする可能性があります。
▼不具合に関するトラブル例
- システムやセキュリティの要求事項を満たしていない
- サイトの速度が遅い
- ページの表示エラーや動作の不具合がある など
また、運用開始後の保守管理やサポートが提供されない制作会社を選んでしまい、不具合が発生したときの対処が困難になるといった問題も見られます。
例4|納期が延びる
契約時点で定めていた納期が延びてしまうケースです。
制作過程で修正や機能追加を依頼した際には、納期の調整が必要になることもあります。しかし、追加の要望がなくても遅延する場合には、制作会社側でのスケジュール管理の不備やリソース不足などが生じていると考えられます。
「定期的に進捗確認を行っていなかった」「契約後はすべて制作会社に丸投げしていた」といった状態では、納期の直前になって「間に合わない」と発覚することがあります。
例5|連絡が取れない・レスポンスが遅い
ホームページ制作会社と連絡が取れなかったり、レスポンスが遅かったりするケースです。スムーズなコミュニケーションが取れない制作会社は、以下のような問題を抱えている可能性があります。
▼連絡が取れない・レスポンスが遅い原因
- 制作会社側の営業担当と制作ディレクターの連携体制ができていない
- 制作スタッフが人手不足で連絡する余裕がない など
連絡の対応に問題がある場合、制作会社の信用に欠けるほか、プロジェクト全体の進行に大きな支障が出てしまう可能性があります。
例6|所有権が制作会社にある
ホームページの所有権が制作会社に帰属するケースも、よくあるトラブルの一つです。
ホームページ制作を外部に依頼する場合、通常であればその所有権は制作会社に帰属します。納品後に「所有権を発注企業に引き渡す」ことを契約書で定めていない場合には、制作会社が所有権を持ったままの状態となります。
また、サイトを公開するためのドメインやサーバの契約が制作会社の名義になっているケースも存在します。所有権や名義が制作会社にあると、以下のリスクがあります。
▼発注側のリスク
- 公開後に自社でコンテンツの管理・更新を行えなくなる
- リニューアルや保守運用をほかの制作会社に依頼できなくなる
- 将来的にドメインやサーバが使えなくなり、アクセス不可になる可能性がある
ホームページ制作会社とのトラブルを避ける対策
ホームページ制作会社とのトラブルを避けるには、契約前やプロジェクトの開始前に明確な取り決めを行っておくことが重要です。ここからは、ホームページ制作会社で失敗しないための対策方法を紹介します。

RFP(提案依頼書)を作成・提出する
ホームページ制作会社を選定する際は、RFP(提案依頼書)を作成・提出することが必要です。RFPとは、自社が実現したいホームページの内容を具体的に記載した文書のことです。
▼RFPに記載する主な内容
- 制作目的
- ターゲット
- 予算
- 求める機能
- コンテンツ構成
- 納期の希望 など
RFPを提出することで、制作会社がクライアントの要望を正確に把握できるようになり、ニーズに合った提案を受けられます。複数の提案書を見て「自社の要望を反映してくれるか」「課題解決に向けた具体的な提案をしてくれるか」などを精査できるため、質の高いホームページ制作会社を選ぶことが可能です。
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修正回数や範囲を確認する
予算を超える追加費用の発生を防ぐためには、契約時に無償で対応してもらえる修正の回数や範囲を明確にしておくことが重要です。
ホームページの制作過程では、デザインや機能などについてイメージとの相違が生じることがあります。「どの段階でどのような修正が可能なのか」具体的な条件について文書で合意しておくことにより、制作会社とのトラブルを防げます。
また、実際に修正を依頼する際は、「無償範囲に含まれるのか」を都度確認するとともに、有償対応の場合は見積もりの作成を依頼するようにします。
契約書に重要事項を明記する
制作会社とのひどいトラブルに遭わないために、契約書に重要事項を明記することが必要です。曖昧な表現を避けて文書に明記することで、万が一トラブルが発生した場合にも、円滑な解決を図りやすくなります。
▼契約書に明記する重要事項の例
| 項目 | 契約書に明記すること |
|---|---|
| 途中解約 | 途中解約時点での費用の支払い割合、違約金の金額、制作途中の成果物に対する引き渡し条件 など |
| 納期遅延の対応 | 制作会社に起因する遅延が発生した場合の損害金の有無、請求条件、計算方法 など |
| 所有権の移転 | 納品後に発注企業に所有権が移転すること |
| ドメイン・サーバ名義 | ドメイン・サーバの契約名義を自社にすること、あるいは名義変更の可否や費用がどうなっているか など |
また、契約書の内容に「疑問点がある」「専門用語が多くよく分からない」といった場合は、契約前にしっかりと確認して文書に残しておくことが欠かせません。
報告頻度や連絡方法を決めておく
プロジェクトの開始前に、進捗報告の頻度と連絡方法を具体的に取り決めておきます。
また、定期的にWeb会議を行い、「制作の方向性に問題がないか」「制作段階でトラブルが発生していないか」などを確認することも必要です。
▼報告・連絡に関する取り決めの具体例
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 報告頻度 | 毎週○曜日にメールで進捗状況を報告する |
| 定例会議 | 第1週・3週目の○曜日(13:00~13:30)にWeb会議を実施する |
| 緊急時の連絡 | 手戻りの発生や遅延の可能性がある場合には、○○宛(担当者名)に電話とメールで連絡する |
制作会社の進捗状況をこまめに確認することにより、問題の早期発見とスケジュールの調整を行えるようになり、納期の直前で重大なトラブルが発覚するリスクを減らせます。
ひどいホームページ制作会社を見抜く5つのポイント
ホームページ制作会社を選ぶ際には、会社の信頼性や技術力、組織体制などを詳細にチェックしておくことが欠かせません。具体的なポイントには、以下の5つが挙げられます。

①複数の実績が公開されているか
制作会社のホームページで公開されている「実績の数と質」を確認します。
「実績が少ない」「掲載先のページが削除されている」といった場合は、制作会社の信頼性に問題があったり、デザインの技術力や提案力が十分でなかったりする可能性があります。
▼実績について確認しておくこと
- 自社と同じ業界・業種の制作実績が豊富にあるか
- 企業や商材に合ったデザイン性やページ構成になっているか など
②契約内容や料金体系が明瞭になっているか
契約書や見積書の内容に不明瞭な点がある場合には、制作過程で追加費用が発生したり、修正依頼や納期などでトラブルが起きたりするリスクがあります。
IT分野の専門知識がない担当者でも理解できるように、分かりやすく契約内容や料金体系を提示している制作会社を選ぶようにします。
▼契約内容や料金について確認しておくこと
| 項目 | 確認しておくこと |
|---|---|
| 制作内容 | ・制作するページ数や機能、仕様などの要件が明確に定義されているか ・自社の要望や依頼内容と異なる点がないか |
| 修正依頼 | ・無償で行える修正の回数・範囲が明記されているか ・有償対応になる修正の範囲・作業内容・費用が明記されているか |
| 見積もり | ・費用の内訳が詳細に記載されているか ・「○○一式」のような不明瞭な費用項目がないか |
| 追加費用 | ・追加費用が発生する条件が明記されているか ・追加費用がかかる作業や金額が詳細に記載されているか |
③プロジェクトの計画を明確に提示してくれるか
プロジェクトの計画が曖昧で「とりあえず始めてみましょう」といった姿勢の制作会社は、連絡のトラブルや納期の遅延などが発生するリスクがあります。
自社が提出したRFPの内容に基づいて、実現性の高い具体的な提案と詳細なスケジュールを提示してくれる制作会社は、プロジェクトの管理能力があると判断できます。
▼プロジェクトの管理体制で確認しておくこと
| 項目 | 確認しておくこと |
|---|---|
| 作業スケジュール | 各工程(ワイヤーフレームの作成・デザイン・コーディング・テスト)の開始日・終了日が明記されているか |
| チーム体制 | ディレクターや各制作担当者の人数・役割が明確になっているか |
| 進捗報告 | 報告頻度や連絡方法、会議の開催頻度が提案されているか |
④契約前の連絡対応がスムーズか
制作会社との連絡がスムーズに行えるか確認しておくことも欠かせません。
契約前の段階で「レスポンスが遅い」「質問に対する回答が曖昧」などが見られる場合は、プロジェクト開始後も同様にコミュニケーションの不満が生じる可能性が高くなります。
制作実績が豊富でクオリティが高くても、連絡対応がスムーズでない制作会社は避けたほうがよいと考えられます。
⑤制作後も運用サポートを提供しているか
ホームページは、公開して終わりではありません。コンテンツの更新作業やメンテナンスが必要になるほか、運用中にシステムの不具合が発生する可能性も考えられます。
運用開始後のアフターフォローや保守管理に対応している制作会社を選ぶことで、システムの不具合や更新作業の不明点が発生した場合にサポートを受けられるようになります。
契約前には、運用サポートの可否や範囲、費用などについて確認しておくことが必要です。
まとめ

ホームページ制作会社と契約する際には、追加費用や制作物のクオリティ、連絡対応などに関するトラブルが起こることがあります。
失敗を避けるには、依頼する制作会社を慎重に精査するとともに、ホームページの要件や契約条件について明確な取り決めをしておくことが重要です。
TMCデジタルでは、本記事で挙げたようなトラブルを未然に防ぐため、お客様が安心してプロジェクトを進められる体制を整えています。
「今の検討先が信頼できるかセカンドオピニオンが欲しい」「まずは制作の進め方から相談したい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

