会社の顔になる「ホームページ」の重要性と制作の具体的な進め方
インターネットが普及して情報収集の場がオンラインへとシフトするなか、企業が運営するホームページには「会社の顔」としての重要な役割があります。
自社の信頼性やブランドイメージの向上を図り、ビジネスチャンスへとつなげるには、ユーザーにとって分かりやすく、魅力・強みが伝わるホームページを構築することが重要です。
企業担当者のなかには「自社だけでホームページの制作を行えるのか」「具体的にどのような流れで制作を進めるのか」など疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、企業におけるホームページの重要性や基本的な制作の進め方、外部に委託する際のポイントなどについて解説します。
企業におけるホームページの重要性
企業のホームページは、ビジネスチャンスを拡大させるための重要なツールになります。ホームページを運用する目的には、以下が挙げられます。

会社の信頼性を向上する
ホームページは、会社の第一印象を決定づける「会社の顔」としての役割があります。
自社のことを知ってもらえる機会があっても、社名を検索した際にホームページがなければ会社としての実態が不透明になり、不信感につながってしまいます。
ホームページを運用して、基本情報の提供や実績の公開を行うことで、会社としての信頼性が高まり、商材の購入や契約を検討してもらえるようになります。
見込み顧客との接点を創出する
会社のホームページは、見込み顧客との接点を創出するマーケティングツールとしての機能を併せ持っています。
検索エンジンで上位表示されたり、SNSやWeb広告を通じてホームページに誘導したりすることで、自社のことを知ってもらえる機会を効率的に増やすことが可能です。
訪れたユーザーに対して資料請求や見積もり依頼、問い合わせなどのアクションを促すことにより、見込み顧客の情報を取得して次の営業アプローチへとつなげられます。
競合他社との差別化を図る
競合他社との差別化を図ることも、ホームページを運用する目的の一つです。
ホームページのコンテンツやデザインを通じて、自社の実績・強み・経営理念・コンセプトなどを示すことで、提供価値や独自性を明確にアピールできるようになります。
競合他社との違いを明確に訴求することにより、比較検討の段階にいる見込み顧客の決断を後押しでき、商談や契約につなげられる可能性があります。
求職者に会社の魅力を伝える
会社のホームページを通じて、求職者に対して自社の魅力を発信する目的があります。
就職・転職活動を行っている求職者は、応募する前に企業の求人票だけでなく、ホームページで「どのような会社なのか」といった情報を調べます。
経営理念やビジョン、CSR(※)活動、社員の福利厚生などを掲載することで、会社に対するイメージアップにつながり、採用活動で応募が集まりやすくなると期待できます。
採用活動において自社のカルチャーにマッチする人材を獲得するためにも、ホームページは欠かせないツールといえます。
※CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)は、自社の利益だけでなく地域や社会に対して責任ある行動をとること。
会社のホームページを制作する方法
会社のホームページを制作する方法には、主に3つの選択肢があります。制作する目的や予算、実現したいクオリティなどを踏まえて選ぶことが大切です。
| 制作方法 | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 1.制作会社に依頼 | 企画から運営まですべての工程を依頼できる、業界・業種の専門的な知見に基づく提案を受けられる | 50万円~数百万円 |
| 2.フリーランスに依頼 | 工程を細分化して依頼できる、個人スキルによって品質が左右されやすい | 5万円~50万円 |
| 3.自社で制作 | 制作コストを最小限に抑えられる、専門的な知識・技術が求められる | 数万~10万円 |
※制作するホームページの規模や仕様などによっても費用は異なります。TMCデジタルのホームページ制作費用については、お問い合わせください。
TMCデジタルの制作費用について問い合わせる
方法1|ホームページ制作会社に依頼する
1つ目は、ホームページ制作を行っている制作会社に依頼する方法です。
市場調査から企画の立案、サイトの設計、デザイン、コンテンツ制作、システム開発に至るまで一貫したサポートを受けられます。制作会社のなかには、公開後の保守運用やトラブルのサポートまで対応しているところもあります。
ITやWebマーケティングに関する専門知識がない方でも、安心して依頼できます。
▼ホームページ制作会社の特徴
・得意とする業界や業種、実績などは制作会社によって異なる
・安定した技術力・品質が期待できる
・フリーランスと比べると費用相場が高くなりやすい
方法2|フリーランスのITエンジニアに依頼する
2つ目は、フリーランスのITエンジニアを探してホームページ制作を依頼する方法です。
クラウドソーシングやITエンジニア向けのエージェントサービスなどを活用して、フリーランス案件を募集することが可能です。
また、「デザインとサイトの設計のみ」「コンテンツの制作のみ」など、制作工程における一部の作業を柔軟に委託できます。ただし、個人との契約になることから、大規模なプロジェクトや長期的なサポートを必要とする場合には向かない方法といえます。
▼フリーランスのITエンジニアの特徴
・ホームページ制作会社に依頼するよりも費用を抑えやすい
・個人によってスキル・経験が大きく異なる
・各工程での一部の作業のみを依頼できる
フリーランスのITエンジニアは個人のスキル差が大きいことから、技術力や品質について十分に下調べを行っておくことが欠かせません。
方法3|自社で制作する
3つ目は、自社だけで制作する方法です。自社制作には、主に3つの手段があります。
▼自社制作の手段
・HTMLやCSSのコードを記入して制作する
・ホームページ制作ツールを利用する
・CMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用する
HTMLやCSSなどを使用して制作する場合には、言語やコーディングに関する専門知識・技術が必要になります。
社内にITに詳しい人材がいない場合には、ノーコード・ローコードで制作できる専用ツールや、テンプレートを使用して制作できるCMSを利用する方法も検討できます。ただし、特殊な機能の追加や独自性のあるデザインの制作は難しくなります。
ホームページ制作の進め方を6つのステップで解説
ホームページの制作方法によってプロジェクトの進め方は変わりますが、基本的な流れは6つのステップに分けられます。

①企画を策定する
社内にプロジェクトチームを形成して、ホームページの企画を作成します。
ホームページの種類や基本構成、デザインなどを決める際の軸となるため、「何のために制作するのか」「どのような目標を達成したいか」を踏まえて作成することが重要です。
企画段階で定めておく内容には、以下が挙げられます。
▼ホームページ制作の企画で定めておくこと
| 項目 | 概要 | 定めておくこと |
|---|---|---|
| システム要件 | システムが備える技術的な要件 | サーバ・ドメイン、CMSの利用、既存システムとの連携 など |
| 機能要件 | サイト上に実装する機能の要件 | 問い合わせフォーム、会員登録、サイト内検索、予約システム など |
| 品質要件 | サイトのパフォーマンスや可用性などに関する要件 | ページの表示速度、スマートフォン対応、情報セキュリティ など |
②要件を定義する
ホームページに必要な要素を洗い出して、要件を定義します。
外部に委託する場合でも、関係者間でホームページ制作の具体的な要件を決めておくことで、具体的なサイトマップの作成やサイトの構築がスムーズに進みやすくなります。
▼要件定義で定めておく内容
| 項目 | 概要 | 定めておくこと |
|---|---|---|
| システム要件 | システムが備える技術的な要件 | サーバ・ドメイン、CMSの利用、既存システムとの連携 など |
| 機能要件 | サイト上に実装する機能の要件 | 問い合わせフォーム、会員登録、サイト内検索、予約システム など |
| 品質要件 | サイトのパフォーマンスや可用性などに関する要件 | ページの表示速度、スマートフォン対応、情報セキュリティ など |
③サイトマップを作成する
サイトマップは、Webサイト全体の構成を視覚化した図のことです。ホームページの構造や導線を設計する際の基本情報となります。
ホームページに掲載するページ・コンテンツを整理することで、情報の重複・不足を防ぎ、ユーザーにとって快適な導線設計やナビゲーション設計が可能になります。
また、トップページを中心として主要ページ・詳細ページへとツリー構造で階層を示すことで、「どのページで何を掲載するか」が明確になり、スムーズな制作が可能になります。
▼サイトマップを作成する手順
| 手順 | 方法 |
|---|---|
| 1.主要なカテゴリの洗い出し | サイト内に配置する主要なカテゴリを洗い出す(企業情報、商品・サービス紹介、事例、問い合わせ など) |
| 2.階層の設計 | 主要カテゴリを最上位として、そこから展開するページをツリー構造で整理する |
| 3.コンテンツの整理 | 階層化した各ページで掲載するコンテンツの内容を洗い出して配置する |
④ワイヤーフレームを作成する
サイトマップで構造を決めたあとは、ワイヤーフレームを作成します。
ワイヤーフレームは、各ページのテキストや画像のレイアウトを定めた設計図のことです。このステップでは、色や装飾といったデザインの要素は加えずに、サイト内の骨組みを決定します。
▼ワイヤーフレームの作成段階で決定すること
・各ページでのメインコンテンツの位置・大きさ
・ヘッダー・フッター・サイドバーの位置
・ボタンやリンクの設置場所 など
デザインとコンテンツのバランスを決めてから制作ステップに移ることにより、手戻り修正や担当者間のイメージのずれを防げるようになります。
⑤デザイン・コンテンツを制作する
作成した要件定義書やワイヤーフレームに基づいて、ホームページのデザインと各ページに掲載するコンテンツを制作します。
このステップでは、ホームページのコンセプトやトーン&マナーを踏まえてデザインを具体化するとともに、キャッチコピーやテキスト、イラスト・図表などを作成します。
外部に制作を委託する場合には、ロゴや商材の画像ファイル、実績・事例に関する情報、ダウンロード用のパンフレットなどのデータも共有しておきます。
⑥サイトを構築する
ホームページを構成するデザインやコンテンツが完成したら、コーディングやシステムの実装を行いサイトを構築します。新たにホームページを制作する場合は、ドメインの取得やサーバの契約が必要になります。
▼サイトの構築方法
・HTML・CSSのコーディング
・ホームページ制作ツールまたはCMSの利用
また、公開前にはテストを実施して、「ページが正常に読み込めるか」「画像や文字のレイアウトが崩れていないか」などを確認します。最終チェックで問題がなければ、ホームページの公開を行います。
TMCデジタルでは、現在のサイト分析や企画策定も含めて、ホームページ制作のプロジェクトを一気通貫でサポートしています。詳しくはこちらからお問い合わせください。
会社のホームページ制作を外部に委託する際のポイント
ホームページ制作会社によって、得意とする分野や実績、提案力、デザイン力などは大きく異なります。「安いから」という理由だけで制作会社を選ぶと、失敗の原因となります。
外部に委託する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
▼ホームページ制作を外部委託する際のポイント
・RFP(提案依頼書)を提出して複数の制作会社を比較する
・自社の業界や業種の実績が豊富な会社を選ぶ
・見積もりの内訳や制作スケジュールを確認する
・修正回数や追加費用などの条件を契約書に明記する
ホームページの制作目的や要件を明記したRFPを提出することで、複数の制作会社で提案内容を比較しやすくなるほか、発注企業との認識の相違を防げるようになります。
また、自社の業界・業種と同じホームページ制作の実績がある制作会社は、業界特有の専門知識や商慣習に関する理解が深く、より戦略的な提案を受けられると期待できます。
契約後のトラブルを避けるためには、見積もりの内訳や修正回数・追加費用に関する条件を明確に提示してくれる制作会社を選ぶことも大切です。
ホームページの公開後によくある問題と対策
ホームページを公開したあとに「思うような成果が出ない」と悩まれる方は少なくありません。ここでは、ホームページの公開後によくある問題について具体的な対策を紹介します。

アクセス数が伸びない
ホームページを運用していてもアクセス数が伸びない場合には、SEO(検索エンジン最適化)が不十分になっている可能性が考えられます。
例えば、「ターゲットのニーズと選定したキーワードに相違がある」「掲載するコンテンツの量が少なく情報量が不足している」などが挙げられます。自社のホームページを上位表示させるには、検索エンジンの評価を高めるための対策が必要です。
▼具体的な対策例
・競合他社の分析やユーザー分析に基づくキーワード選定を行う
・ターゲットが求める専門的な情報や課題を解決するコンテンツを継続的に追加する
・サイトの表示速度や内部リンク、サイトマップの送信などの技術的要素を改善する
問い合わせや申し込みにつながらない
ホームページに訪問するユーザー数は一定数あるものの、問い合わせや申し込みなどのコンバージョン(目標とする行動)につながらないケースがあります。
コンバージョンにつながらない原因には、訪れたユーザーの「知りたいこと」と「提供されている情報」にずれがある可能性が考えられます。
また、「問い合わせページを見つけにくい」「資料請求までの手順が複雑」など、ユーザーを導く導線が適切に設計されていないことも、離脱を招く原因となります。
▼具体的な対策例
| 対策 | 方法 |
|---|---|
| ナビゲーションバーの設置 | 各ページから問い合わせフォームや申し込みページにアクセスできるようにする |
| CTAの強化 | 商品・サービスページや事例ページに、行動を促すための誘導文と目立ちやすいボタンを設置する |
| 入力フォームの最適化 | 入力フォームの項目を最小限にする、プルダウンメニューや選択ボタン、自動入力補助機能などを追加して手動入力を減らす |
| コンテンツの強化 | ユーザーが持つ課題や疑問を解消する質の高いコンテンツを作成する、実績ページを増やす、商品・サービス紹介文を分かりやすく見直す |
社内で管理・更新ができない
社内にITに詳しい人材がいない場合には、ホームページの更新やメンテナンスを行えず、情報が古くなったり、継続的な改善に取り組めなかったりする問題が発生します。
このような問題を避けるには、公開後も自社で更新できるCMSを利用したシステムを構築することが必要です。また、運用開始後も効果測定や改善策の立案などをサポートしてもらえる制作会社を選ぶことが重要といえます。
まとめ

会社のホームページは、信頼性の向上や見込み顧客の獲得、採用力の向上などを図るために欠かせないツールの一つです。
自社制作やフリーランスへの依頼では予算を抑えやすい利点がありますが、成果を生む長期的な資産としてホームページを制作するなら、専門の制作会社への依頼がおすすめです。
TMCデジタルでは、企業のホームページ制作・リニューアルを一気通貫で対応しています。目的に合わせた戦略設計からサイトの構築、分析に基づく改善提案、保守運用のサポートまでお任せください。
「公開後は自社で更新できるようにしたい」「運用開始後の分析や改善まで対応してほしい」といったニーズをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

