お知らせ 2025年12月5日

【企業連携授業】TMCシステムが女子美術大学で未来のデザイナーを育成!実践的な「マーケティング×デザイン」授業レポート

TMCシステム(TMCデジタル)は、デジタル領域の最前線で培った知見を教育現場へ還元する取り組みとして、女子美術大学 芸術学部 共創デザイン学科にて「グラフィックデザイン(ウェブデザイン演習)」の授業を担当しました。 

今回講師を務めたのは、代表取締役の松本勇介、そして現場で活躍するディレクターの東山、デザイナーの松崎の3名です。

TMCシステムが目指す未来のクリエイター育成について、講師を務めた代表取締役・松本勇介に、そこに込めた想いを聞きました。

プロフィール

松本 勇介(まつもと ゆうすけ) TMCシステム株式会社 代表。Web黎明期からディレクター・プロデューサーとして活躍し、大手企業のWeb戦略を数多く手掛ける。今回は女子美術大学にて、全36コマにわたる「グラフィックデザイン②(ウェブデザイン)」の講師を、同社東山・松崎と共に担当。

「実際の仕事」で最も多いケースを体験してほしかった

── 今回、女子美術大学で講師を務めることになった経緯を教えてください。

松本: きっかけは、女子美術大学の松本教授が登壇するデザイン経営のセミナーに参加したことでした。そこで名刺交換をさせていただいて、当初は採用や企業連携のご相談をしていたんです。そうしたら、ある時、急に「連携授業の話もしたいから来て」と呼ばれて。 行ってみたら、「実はウェブデザインの授業の講師を探しているんだけど、お願いできませんか?」といきなりのオファーでした(笑)。最初は驚いて「えっ」となりましたが、またとない経験だと思い、お引き受けすることにしました。

── 授業では、デザインスキルの手前にある「マーケティング」にかなり時間を割いたそうですね。

松本: そうですね。せっかく授業をやるなら、「実際の仕事」で最も多いケースを体験してほしいと思ったんです。 将来、彼女たちが広告代理店や制作会社に就職してウェブサイトを作るとなると、「企業の公式サイト」や「商品のプロモーションサイト」を作ることも多くなると思います。

そうなると、ただきれいなサイトを作るだけでなく、「どうやって集客するか」「どうやって魅力を伝えて成果(コンバージョン)につなげるか」というマーケティングの観点がどうしても必要になります。 だからこそ、今回はあえてデザインの前段階である「マーケティングプロセス」からウェブサイトに落とし込む流れを授業にしました。それが一番、実践的で役に立つと考えたからです。

「商品サイトのリブランディング」という実践的テーマへの挑戦

── 授業のテーマを「商品サイトのリブランディング」に設定した狙いは何ですか?

松本: 実際の仕事で「架空のサイト」を作ることはありませんよね。かといって、実在する商品だと自由に改変して世に出すことは難しい。 そこで、「自分の好きな食べ物や飲み物をベースに、最終的に商品名などを変えて架空のブランドサイトとしてリブランディングする」というお題にしました。

これなら、競合分析もリアルに行えますし、そこから「自分ならどう打ち出すか」という企画が立てられます。 また今回は、知人の経営者である竹内ひとみさんが経営するクッキー生地ブランド「コロリド(Coloridoh)」にもご協力いただき、希望者はリアルな企業課題として取り組んでもらいました。

── 学生たちの反応はいかがでしたか?

松本: 面白かったですね。個性がすごく出ていました。 

ある学生は、アニメーションをつけたWebページの形まで作り込んできて、クオリティの高さに驚きました。他にもクラブのような世界観のお酒のサイトや、絵本のような世界観のチーズのサイト、高級感あふれるチョコレートのWEBサイトなど、それぞれの商品の特長をベースに独自にリブランディングし、世界観を作り込んだ作品が多くありました。

最終発表にはコロリド竹内さんにも参加していただき、オーナーへダイレクトな提案の機会を持つこともできました。

「現役プロフェッショナル」によるチーム指導

── 今回は松本さんだけでなく、現場の社員の方々も講師として参加されました。

松本:はい。できるだけ手厚く指導できるように、プロデューサー・ディレクターの東山、デザイナーの松崎を加えた3名体制で臨みました。 私たちが重視したのは、「現場の基準」でフィードバックを行うことです。普段アートディレクター・デザイナーとして活躍している松崎からは、デザインのクオリティや表現手法について、ディレクターの東山からは情報設計の観点を中心に、それぞれの専門領域から具体的な講義とアドバイスを行いました。

── 学生にとっても、現役のクリエイターから直接学べるのは大きいですね。

松本: そうですね。授業後のアンケートでは、「先生たちが親身になって相談に乗ってくれた」という声に加え、「調査から順を追う形で進み、最終的なデザインまで運べることができたので、ひとつひとつ理解しながら進められた」といった声をいただきました。 単にきれいな見た目を作れるようになるだけでなく、プロがどこにこだわり、どういう視点で制作しているのか。「仕事のリアル」を肌で感じてもらえたのではないかと思います。

教育連携が生み出す、次世代へのバトン

── 最後に、今後の展望や、教育機関の方々へのメッセージをお願いします。

松本: 今は生成AIの台頭で、業界全体が変革期を迎えています。AIを使えば、一定レベルのものは誰でも作れる時代になりました。 だからこそ、これからのクリエイターには、AIには出せない戦略や感性を掛け合わせ、とがったアウトプットを生み出す力が求められます。
彼女たちが、今後何かのデザインをするときに、ふとこの授業のことを思い出してくれて、少しでも企画や制作の手助けになってくれたらよいなと思っています。

今回の女子美術大学様での取り組みを通じて、私たち自身も「教えること」の意義を再確認しました。 今後も大学や専門学校との連携を広げ、出張授業やウェビナーなどを通じて、次世代のクリエイター育成に貢献していきたいと考えています。実践的なカリキュラムをご検討の教育機関様がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけいただければ幸いです。

※授業の最終課題として提出してもらった作品のうち、掲載許可をいただけたものの一部です。


TMCシステムでは、大学・専門学校等との企業連携授業・特別講義のご相談を随時受け付けております。マーケティングとデザインの実践的なカリキュラムにご興味のあるご担当者様は、下記よりお問い合わせください。

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