WEB制作 2025年11月27日

ホームページ作成を会社に依頼する費用相場と見積もりのポイント

ホームページ作成を会社に依頼する費用は、10万円~2000万円と幅広く、サイトの目的・規模・機能によって大きく変動します。加えて、公開後の運用・保守に月額5,000円~20万円が継続的に必要です。

「なぜこんなに価格差があるのか」「うちの会社に適正な予算はいくらか」と戸惑う方も多いでしょう。

特にBtoB企業や製造業では、単なる「会社案内」ではなく、見込み客を獲得し商談につなげる「成果が出るサイト」が求められるため、一般的な相場よりも高額になる傾向があります。

この記事では、規模・機能別の具体的な費用相場、価格を左右する5つの要因、見積もり前に準備すべきこと、失敗しない制作会社の選び方まで解説します。

ホームページ作成の費用相場

ホームページ作成の費用相場は、一般的には50万円~500万円程度と言われています。 しかし、BtoB・製造業において「問い合わせ獲得」に効果的なのは、戦略設計を含む300万円~1000万円のサイトです。

規模・機能別の費用相場

サイトの規模や機能によって、費用は大きく変動します。一般的な相場とBtoB・製造業の費用相場を比較すると、以下のようになります。

一般的な相場とBtoB・製造業の費用相場の違い

サイトの種類一般的な費用相場BtoB・製造業の場合
シンプルなサイト
(5~10ページ)
10万円~50万円30万円~80万円
標準的な企業サイト
(10~30ページ)
50万円~200万円80万円~300万円
戦略的なマーケティングサイト
(30~50ページ)
200万円~500万円300万円~1000万円
大規模コーポレートサイト
(50ページ以上)
500万円~2000万円1000万円~3000万円

以下はBtoB・製造業における費用感と仕様の解説です。

シンプルなサイト(30万円~80万円)
会社の基本情報を掲載する名刺代わりの構成です。テンプレートを活用して低コストで公開できますが、集客機能は弱く、競合他社との差別化や新規の問い合わせ獲得には不向きです。

標準的な企業サイト(80万円~300万円)
オリジナルデザインに加え、製品検索やお問い合わせフォーム、CMS(更新システム)が組み込まれます。既存顧客への情報提供や、指名検索(社名での検索)による受け皿として機能しますが、積極的な新規開拓にはさらなる戦略が必要です。

戦略的なマーケティングサイト(300万円~1000万円)
ターゲット分析、競合調査、SEO設計など、公開後の「商談創出」を見据えた設計が行われます。BtoB・製造業で問い合わせを増やしたい場合、コンテンツ企画や導線設計が必須となるため、この価格帯が最も推奨される投資ラインです。

大規模コーポレートサイト(500万円~3000万円)
多言語対応(グローバルサイト)、会員専用ページ、製品データベース連携、高度なセキュリティ対策などが含まれます。制作期間も半年以上かかり、全社的なプロジェクトとして進行する規模感です。

なぜBtoB・製造業は高額になるのか

BtoB・製造業のサイトは、ターゲット分析、専門コンテンツ制作、SEO対策、導線設計など、戦略的な投資が必要なため高額です。これらは見込み客獲得と商談創出に直結する投資です。以下、5つの要因について詳しく解説します。

1. ターゲット顧客の理解と戦略設計に時間がかかる

BtoBでは技術者、購買担当者、経営層など、複数の意思決定者がそれぞれ異なる情報を求めます。ペルソナ設定やカスタマージャーニー分析に相応の工数が必要です。

2. 専門的なコンテンツ制作のハードルが高い

技術仕様、加工精度、品質管理体制など、専門知識がなければ正確に伝えられません。制作会社も業界知識を習得し、技術者インタビューや工場見学を行いながらコンテンツを作り込みます。

3. SEO対策の難易度が高い

ニッチなキーワードで上位表示を目指すため、競合分析や専門性の高いコンテンツ設計が求められます。

4. 問い合わせ獲得までの導線設計が複雑

製品カタログダウンロード、技術資料請求、オンライン相談予約など、さまざまなコンバージョンポイントを設け、MAツールやCRMとの連携も必要です。

5. 継続的な改善が前提

アクセス解析に基づく改善、コンテンツ追加、ABテストなど、PDCAサイクルを回し続けることで成果が積み上がります。

【関連記事】実際の成功事例は「製造業ホームページの成功事例10選」で、戦略的なサイト運営は「ホームページ集客を成功させる方法」で解説しています。

見逃せない運用・保守費用

運用・保守費は月額5,000円〜20万円が相場なので、初期費用だけでなく年間コストの把握が不可欠です。運用・保守の範囲と費用感を整理すると、次のようになります。

運用・保守の範囲と費用感

運用・保守の範囲月額費用相場含まれる内容
基本保守のみ5,000円~2万円サーバー・ドメイン管理、セキュリティ更新、バックアップ
軽微な更新対応2万円~5万円基本保守 + テキスト・画像の差し替え、お知らせ更新
戦略的運用サポート5万円~20万円アクセス解析、SEO改善提案、コンテンツ企画・制作支援

基本保守(月額5,000円~2万円)
サーバー監視、ドメイン更新、セキュリティアップデート、バックアップが含まれます。これらを怠ると、サイト停止や不正アクセスのリスクが高まります。

軽微な更新対応(月額2万円~5万円)
自社で更新が難しい箇所の修正や、新製品情報の追加、ニュースリリースの掲載などを依頼できます。

戦略的運用サポート(月額5万円~20万円)
アクセスデータ分析、改善提案、コンテンツ企画を継続的に行います。BtoB企業では、こうした伴走型サポートが中長期的な成果につながります。

【関連記事】運用・保守費用の詳細は「【2025年版】ホームページ保守費用の相場と内訳|コスト削減の完全ガイド」や「【2025年最新】ホームページのランニングコスト相場と内訳を徹底解説」をご覧ください。

ホームページ作成の費用が決まる5つの要因

費用を左右するのは、以下の5つの要素です。

①ページ数・構造の複雑さ
②デザインのカスタマイズ度
③機能・システムの実装範囲
④SEO対策の有無
⑤制作会社の専門性

これらを理解することで、見積もりの妥当性を判断できます。順に詳しく見ていきましょう。

1. ページ数とサイト構造の複雑さ

ページ数だけでなく、各ページの役割と情報設計の複雑さが費用を左右します。トップページ1つでも、シンプル版(数時間)と戦略版(数日~1週間)では工数が大きく異なります。

階層化されたサイトでは、ナビゲーション設計、パンくずリスト、内部リンク最適化など、ユーザビリティとSEOの両面から検討が必要です。製品ラインナップが豊富な製造業では、製品カテゴリの整理や詳細ページのテンプレート設計に時間がかかります。

2. デザインのカスタマイズ度合い

テンプレート利用かオリジナル制作かで、工数とコストは大きく変わります。デザインタイプ別の特徴をまとめると次の通りです。
デザインタイプ別の特徴

デザインタイプメリット特徴
テンプレートベース・短期間・低コストで公開可能・デザインの選択肢は限定的
・既存のデザインパターンから選択
オリジナルデザイン・企業のブランドイメージを反映
・技術力や信頼性を視覚的に伝達
・コーポレートカラー選定、写真撮影、アイコン・グラフィックデザインなど細部の作り込みが可能

BtoB企業では、コーポレートカラー選定、写真撮影、アイコン・グラフィックデザインなど、細部の作り込みが行われます。デザイン修正回数も費用に影響するため、参考サイトを共有し、事前に方向性を合意しておくことで手戻りを減らせます。

3. 機能やシステムの実装範囲

搭載する機能やシステムの複雑さが、費用を大きく左右します。既存システムとの連携が必要な場合、API開発やセキュリティ強化により費用はさらに高額になります。どこまでを初期搭載し、どこから段階的に追加するか、優先順位を明確にすることが予算管理のポイントです。

機能レベル別の開発内容は以下の通りです。
機能レベル別の開発内容

機能レベル主な機能開発の特徴
基本機能・お問い合わせフォーム
・資料請求フォーム
・お知らせ更新機能
入力項目数、バリデーション内容、自動返信メールのカスタマイズ度合いで工数が変動
高度な機能・会員登録・マイページ
・製品検索・絞り込み機能
・予約システム
・ECカート機能
プログラミングやデータベース設計が必要で、費用は大幅に上昇
BtoB企業で
よく求められる機能
・製品カタログダウンロード
・技術資料の閲覧制限
・MAツール・CRM連携
見込み客情報獲得や営業プロセスとの統合が可能。MA/CRM連携で営業効率が向上

4. SEO対策・コンテンツ戦略の有無

SEO対策の有無は、費用だけでなく公開後の成果に直結します。BtoB・製造業では、「製品名 + 用途」「技術名 + 課題」など、ニッチだが購買意欲の高いキーワードで上位表示することが、質の高い問い合わせ獲得につながります。

SEO対策のレベルによって、取り組む内容は次のように異なります。
SEO対策レベル別の内容

SEO対策のレベル主な内容特徴
基本的なSEO対策
(技術的SEO)
・タイトルタグ・メタディスクリプション最適化
・見出しタグの適切な使用
・画像ALT設定
・サイトマップ生成
検索エンジンがサイトを正しく理解するための土台となる対策
戦略的なSEO対策・キーワード調査
・競合分析
・検索意図の把握
・コンテンツ戦略の設計
データに基づき、上位表示と質の高いリード獲得が可能

5. 制作会社の規模と専門性

制作会社の専門性と業界理解の深さが、価格と成果の両方に影響します。制作会社タイプ別の特徴を比較してみましょう。

制作会社タイプ別の特徴

制作会社のタイプ特徴メリット・デメリット
フリーランス個人のスキルに依存低価格だが、デザインは得意でもSEOやマーケティングは弱いなど、得意分野が限定的な場合がある
大手制作会社専門スタッフがチーム対応総合的な品質が担保されるが、人件費が高く費用に反映される
BtoB・製造業に特化した制作会社業界特有の課題や商習慣を理解戦略とデザインで成果を最大化するが、品質重視のため格安・短納期には向かない。

単に安さや認知度だけでなく、自社の業界やビジネスモデルを理解し、成果にコミットしてくれるパートナーかどうかを見極めることが重要です。

見積もり前に確認すべきこと

目的・ゴール、必要な機能・ページ、ターゲット顧客、予算・優先順位の4点を明確にすることで、正確な見積もりが得られます。

目的とゴールを明確にする

「何のためにホームページを作るのか」を数値化した具体的な目標設定が不可欠です。漠然とした理由では、効果的なサイトは作れません。

具体的な目的の例
・月間10件の問い合わせを獲得したい
・新卒採用のエントリー数を増やしたい
・既存顧客向けの技術情報を提供したい

目的が明確であれば、必要な機能やコンテンツが自ずと見えてきます。ゴールを数値化することで、公開後の効果測定が可能になります。社内の関係部門と事前に合意形成しておくことも重要です。

必要な機能とページを洗い出す

必要な機能とページを「必須」と「希望」に分けて整理することで、予算調整がしやすくなります。必要なページと機能の例を以下に示します。


必要なページと機能の例

カテゴリ主な内容
基本的なページ構成・トップページ
・会社概要
・事業内容
・製品・サービス紹介
・お問い合わせ
製造業ならではのページ・製造工程の紹介
・品質管理体制
・技術資料ダウンロード
・導入事例
機能のリストアップ・お問い合わせフォーム
・資料請求フォーム
・製品検索機能
・ブログ・お知らせ機能
・多言語対応
・会員登録機能

更新頻度の高いページは、自社で更新できるCMSの導入を検討しましょう。毎回制作会社に依頼すると運用コストがかさみます。

ターゲット顧客を具体化する

ペルソナ(典型的な顧客像)を作成し、ターゲットごとに必要なコンテンツを明確にしましょう。「すべての人に伝えたい」では、誰にも刺さらないサイトになります。

BtoB企業の場合、ターゲットは複数の関係者で構成されます。各役割ごとに気になる点に違いがあり、それぞれへの訴求が必要です。

ターゲット別の関心事項
(製造業向け設備を販売する企業の例)

役割気になっていること
技術者製品のスペック、性能、導入実績
購買担当者価格、アフターサービス、納期
経営層投資対効果、業務改善効果

既存顧客へのヒアリングで、どのような経緯で自社を知り、何が決め手となったのかを把握することも有効です。

予算と優先順位を整理する

初期制作費と運用費を分けて予算化しましょう。初期費用だけに注目して予算を使い切ると、公開後の運用が回らなくなります。

例えば、問い合わせ獲得が最優先なら、デザインより先にSEO対策と問い合わせフォームに予算を配分します。一方、ブランドイメージ向上が目的なら、デザインやビジュアルコンテンツに投資し、複雑な機能は後回しにする判断もあります。

複数の制作会社から見積もりを取る場合、予算感を伝えた上で「この予算でどこまでできるか」を提案してもらう方法も有効です。

【関連記事】失敗しない制作会社の選び方については「【プロが教える】製造業・BtoBで成果を出すホームページ制作会社の選び方」をご覧ください。

よくある質問

Q1. 制作期間はどのくらいかかりますか?

シンプルなサイトで1〜2ヶ月、戦略設計を含む本格的なサイトで3〜6ヶ月が目安です。

・シンプルな企業サイト(10ページ程度):1〜2ヶ月
・標準的な企業サイト(20〜30ページ):2〜3ヶ月
・戦略設計を含む本格的なサイト:3〜6ヶ月

要件定義の明確さ、デザイン修正回数、コンテンツ準備状況が制作期間を左右します。特にコンテンツの準備遅れは全体スケジュールに影響するため、早めの着手が重要です。

Q2. 自分で更新できるようにしたいのですが可能ですか?

CMS導入により、専門知識なしで更新可能です。WordPress、Movable Type、BlueMonkeyなど、更新内容や頻度、予算に応じて最適なCMSを選びましょう。

Q3. スマートフォン対応は別料金ですか?

現在はレスポンシブデザインが標準仕様で、追加費用なしが一般的です。見積もりに「レスポンシブ対応」と明記されていれば問題ありません。

Q4. ドメインやサーバーは自分で用意する必要がありますか?

制作会社に一括依頼する方が安心ですが、ドメイン・サーバーの所有権が自社にあるか必ず確認してください。後の制作会社変更で移管できないトラブルが起きる可能性があります。

Q5. 制作会社を変更することはできますか?

技術的には可能ですが、ドメイン所有権、著作権、CMSの種類を事前確認する必要があります。将来の柔軟性を考えるなら、WordPressなどの汎用CMSを選んでおくと安全です。

まとめ

ホームページ作成の費用は一般的な相場は50万円~500万円、運用費は月額5,000円~20万円です。BtoB企業・製造業では、戦略設計を含む300万円~1000万円の投資が問い合わせ獲得に効果的です。

特にBtoB企業や製造業では、ホームページは見込み客を獲得し、商談を生み出す重要な営業ツールであるため、ターゲット分析、専門コンテンツ制作、SEO対策、問い合わせ導線など、戦略的投資が求められます。

単に「安い」か「高い」かではなく、自社のビジネス目標達成に必要な投資なのかを見極めることが重要です。

制作会社選びでは以下の4点を総合評価しましょう。
・自社業界の実績と専門性
・提案力とコミュニケーション
・公開後のサポート体制
・見積もりの透明性

初期費用だけでなく、公開後の運用・保守費用も含めた総コストを把握したうえで、継続的に改善する体制を整えることが成果の鍵です。

本記事の費用相場や選定ポイントを参考に、自社に最適な制作会社を選び、成果につながるホームページを実現してください。

BtoB企業・製造業のホームページ制作はTMCデジタルにご相談ください

TMCデジタルは、BtoB企業・製造業に特化したホームページ制作・マーケティング支援を行っています。業界の商習慣や購買プロセスを深く理解し、見込み客の獲得から商談創出まで、成果にコミットしたサイト制作を提供します。

戦略設計から制作、公開後の運用サポートまで一貫対応。ホームページ作成の費用や進め方についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

無料で相談する

Back Column Top Next