オウンドメディア運営のKPI設定方法とは?フェーズごとの設定例と意識すべきポイントを解説

オウンドメディアにおけるKPIの意味と重要性とは
オウンドメディア運営において、KPIの設定は成功への道筋を明確にする重要な要素です。多くのBtoB企業がオウンドメディアを立ち上げるものの、適切な指標設定ができずに効果を測定できない、改善点が見えないといった課題に直面しています。ここでは、KPIの基本的な概念から、オウンドメディア運営における重要性まで解説します。
KPIとは?KGIとの違いを解説

KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略称で、目標達成に向けた進捗を測定するための具体的な指標です。一方、KGI(Key Goal Indicator)は最終的なゴールを示す指標で、企業の事業目標に直結します。
オウンドメディアにおいてKGIは「売上向上」「リード獲得数増加」「ブランド認知度向上」といった最終目標となります。KPIはこのKGIを達成するための中間指標として、「月間セッション数10万PV達成」「問い合わせ数月20件獲得」「平均滞在時間3分以上」などが設定されるのです。
KGIが「山の頂上」だとすると、KPIは「頂上に向かう途中の各チェックポイント」のような役割を果たします。この中間指標により、目標達成までの進捗を把握し、必要に応じて戦略を調整できるのです。

KPIとKGIの違いまとめ
項目 | KGI(Key Goal Indicator) | KPI(Key Performance Indicator) |
---|---|---|
意味 | 最終的に達成すべきゴールを示す指標 | ゴール(KGI)達成のために追う中間指標 |
目的 | 成果(結果)の到達度を測る | プロセス(過程)の進捗を測る |
KPI例 | 「年間100件の問い合わせ獲得」 | 「月間10万PV」「月間資料DL数10件」 |
時間軸 | 中長期(半年〜数年) | 短期〜中期(週・月単位) |
活用シーン | 経営層・上司が成果を見るために使う | 現場担当者が改善・実行を判断するために使う |
特徴 | ひとつ、または少数に絞られる | 複数設定し、段階的に管理する |
オウンドメディア運用でKPIが果たす役割とは?
オウンドメディア運用におけるKPIは、単なる数値目標以上の重要な役割を担っています。
最も重要な役割は、運営チーム全体の方向性を統一することです。複数のメンバーがコンテンツ制作、SEO対策、SNS運用などを分担する際、共通のKPIがあれば全員が同じ方向を向いて取り組めます。また、KPIは日々の業務の優先順位を決める判断基準にもなるのです。
データに基づいた意思決定を可能にする点も重要でしょう。「なんとなく効果がありそう」という感覚ではなく、具体的な数値を基に施策の効果を判断できます。上司への報告や予算確保の際も、明確な数値があれば説得力のある提案が可能になります。
さらに、KPIは改善点の発見にも役立ちます。目標値と実績値の差を分析すれば、どの部分に問題があるのか、どこを改善すべきかが明確になるからです。
KPI設定が成果につながる理由を解説

適切なKPI設定が成果に直結する理由は、測定可能性と継続改善のサイクルにあります。
測定できないものは改善できません。KPIを設定すれば、オウンドメディアの現状を数値で把握し、目標に対する進捗を定量的に評価できます。この測定により、成功している取り組みと改善が必要な部分を明確に区別できるようになるのです。
また、KPIは継続的な改善活動の基盤となります。定期的にKPIをチェックし、目標に達していない場合は原因を分析し、対策を立てて実行するPDCAサイクルを回せるでしょう。このサイクルにより、オウンドメディアの運営品質が段階的に向上していきます。
KPIが成果につながる仕組み
ステップ | 内容 | 効果 |
---|---|---|
1. 現状把握 | KPIで数値を測定 | 客観的な状況理解 |
2. 課題特定 | 目標と実績の差を分析 | 問題点の明確化 |
3. 施策立案 | 改善策を検討・実行 | 具体的なアクション |
4. 効果検証 | KPIで成果を確認 | 施策の有効性判断 |
KPIを設定すると、オウンドメディア運営が「なんとなく更新する」作業から、「目標に向かって戦略的に改善する」活動に変わります。これが成果につながる最も重要な理由なのです。
オウンドメディアのKPIを確認するには、アクセス解析が欠かせません。GA4やMAツールを活用して、KPIに設定した指標がどのように推移しているか確認します。TMCシステムでは、アクセス解析レポートの作成代行サービスを提供しています。サイトの課題や改善策の提案も可能ですので、ぜひご相談ください。
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オウンドメディア成功に向けたKPI設定方法

KPIの重要性を理解したら、次は実際の設定方法を学んでいきましょう。適切なKPI設定には体系的なアプローチが必要で、闇雲に数値目標を決めても効果的な運営にはつながりません。
KPIは以下のステップで設定してみましょう:
- ステップ1. メディアのKGIを明確にする
- ステップ2. KPIツリーを作成(KPI設定)
- ステップ3. 設定したKPIの妥当性を確認
このステップに従って設定すれば、オウンドメディアで確実に成果を上げられるKPIが完成するはずです。各ステップについて、順番に解説します。
関連記事:【2025年版】製造業オウンドメディア成功事例10選と運用完全ガイド
ステップ1. メディアのKGIを明確にする
KPI設定の出発点は、オウンドメディアの最終目標(KGI)を明確に定義することにあります。KGIが不明瞭だと、いかに緻密なKPIを設定したところで効果的な運営は望めないでしょう。
BtoB企業において頻繁に設定されるKGIには「新規リード獲得数の向上」「売上の拡大」「営業案件の創出」などが挙げられます。これらの選択肢から自社の事業戦略に最も合致するものを選定する必要があるのです。
KGI設定における要点は、具体的な数値と期限を盛り込むことにあります。例えば「サービスの年間売上を8億円から12億円へと拡大する」といった形で設定します。加えて、経営陣や関連部署との合意形成も重要な要素となるでしょう。
ステップ2. KPIツリーを作成(KPI設定)
KGIが明確化されたら、次はそのKGIを達成するためのKPIツリーを構築していきましょう。KPIツリーは、最終目標から逆算して中間指標を階層的に整理したものです。
例えば「サービスの年間売上12億円」の場合、月間1億円の売上が必要になります。サービスの平均単価が1,000万円であれば、月間1億円を実現するためには月に10件の成約が必要です。10件の成約のためには、何件の商談を創出する必要があるか。そして、その商談を発生させるための新規問い合わせ数はそのくらい必要なのか。といったように、上位目標を達成するための要素を洗い出してツリー上に整理します。
KPIツリー構築のポイント
- 上位目標から下位目標への論理的関連性を確保する
- 各階層における達成可能性を検証する
- 担当者が直接影響を及ぼせる指標を含める
- 測定可能かつ具体的な数値で表現する

ステップ3. 設定したKPIの妥当性を確認
KPIツリーを構築した後は、設定した指標の妥当性を多面的に検証することが求められます。この検証過程を軽視すると、非現実的な目標を設定してしまう恐れがあるためです。
まずは、過去のデータとの整合性を確認しましょう。前年同期比で大幅な成長を見込む際は、その根拠となる施策が明確である必要があります。続いて、設定したKPIを達成するのに必要な人員、予算、時間が確保可能かを検証します。
KPIは運用を進める中で定期的に見直し、状況に応じて調整するのが理想です。半年〜1年単位で振り返りを行い、KGIに沿った「生きた指標」として運用していきましょう。
オウンドメディアにおける具体的なKPI例

KPI設定の手順を理解したところで、オウンドメディア運営において実際に設定される具体的なKPI例について詳しく見ていきましょう。適切なKPI選択には、各指標の特性と測定方法を正確に把握することが不可欠です。ここでは、BtoB企業のオウンドメディアにおいて頻繁に採用される主要なKPIを4つのグループに分類しました。
- 訪問者数(セッション数・UU数)
- エンゲージメント(滞在時間・回遊率)
- コンバージョン(資料請求・問い合わせ・見積依頼)
- ソーシャルシェア・被リンク
お気付きかもしれませんが、この4つのグループは、ユーザーの行動フロー(知る → 興味 → 行動 → 拡散)を意識して分類しています。それぞれのグループの代表的なKPIと活用方法を交えながら見ていきましょう。
訪問者数(セッション数・UU数)
訪問者数は、オウンドメディアの基本的な成果を測る最も分かりやすい指標の1つです。主にセッション数(訪問回数)とUU数(ユニークユーザー数)の2つに分けて測定されます。
セッション数は、一定期間内にサイトを訪問した回数を表す指標です。同じユーザーが複数回訪問した場合、それぞれが別のセッションとして計上されるため、サイトの総合的な利用状況を把握する際に有効でしょう。一方、UU数は実際にサイトを訪問した人数を意味する指標で、リーチの広さを測定する際に重要な指標となります。
BtoB企業においては、これらの指標を業界特性に応じて解釈することが重要です。検討期間が長い商材の場合、同じユーザーが複数回にわたって情報収集を行うため、セッション数とUU数の比率(リピート率)も重要な分析要素となるのです。
目標設定の際は、前年同期比や競合サイトとの比較を基準とし、月次で20〜30%の成長を目指すのが現実的でしょう。ただし、単純に数を追うだけでなく、質の高いトラフィック獲得を意識することが肝要です。
エンゲージメント(滞在時間・回遊率)
エンゲージメント指標は、訪問者がサイト内でどの程度積極的に行動したかを測定します。代表的なものに平均滞在時間とページ回遊率が挙げられるでしょう。
平均滞在時間は、ユーザーがサイト内で費やした時間の平均値を表します。記事の性質によって適切な滞在時間は変動するため、コンテンツタイプ別に目標を設定することが重要です。
ページ回遊率(ページ/セッション)は、1回の訪問で閲覧されたページ数を示す指標です。この指標が高いほど、ユーザーが他のコンテンツにも関心を示したことを意味します。内部リンクの最適化や関連記事の提案により、この数値の改善を図ることができます。
エンゲージメント指標の目標値例
指標(KPI) | 目標値(例) | 改善施策 |
---|---|---|
平均滞在時間 | 1分以上 | コンテンツ品質向上、読みやすさ改善 |
ページ回遊率 | 2.5ページ以上 | 内部リンク最適化、関連記事提案 |
直帰率 | 60%以下 | ファーストビュー改善、導線見直し |
コンバージョン(資料請求・問い合わせ・見積依頼)

コンバージョン指標は、オウンドメディアが事業に直接貢献している度合いを測る最も重要な指標です。BtoB企業では、資料請求、問い合わせ、見積依頼、メルマガ登録などがコンバージョンとして設定されることが多いです。
コンバージョン率の設定においては、業界平均を参考にしつつ、自社の過去実績を基準としましょう。ただし、オーガニック流入からのコンバージョン率は、ターゲティングの精度やコンテンツにより大きく変動します。
また、コンバージョンの質も重要な評価要素です。単純にコンバージョン数を増やすだけでなく、営業部門と連携してリードの質を継続的に評価し、真に事業に貢献するコンバージョンを追求していく姿勢が求められます。
マイクロコンバージョンの設定も効果的です。最終的なコンバージョンに至る前段階の行動(特定ページの閲覧、動画視聴、PDFダウンロードなど)を中間目標として設定することで、より詳細な分析と改善が可能となります。
ソーシャルシェア・被リンク
ソーシャルシェア数と被リンク数は、コンテンツの影響力と権威性を測る指標として機能します。これらの指標は直接的な売上につながりにくいものの、ブランド認知度向上や検索エンジン評価の向上に寄与するため、中長期的な視点で重要な意味を持つでしょう。
ソーシャルシェア数は、LinkedIn、X、Facebookなどでのシェア回数を合計したものです。BtoBのビジネスにおいては、業界関係者による拡散が新たな見込み客との接点創出につながる可能性があります。
被リンク数は、他のWebサイトから自社コンテンツへのリンク数を表します。質の高い被リンクは検索エンジンからの評価向上に直結するため、SEO戦略において極めて重要な指標となるのです。ただし、数よりも質が重視されるため、権威性の高いサイトからの被リンク獲得を重点的に目指すべきでしょう。
これらの指標は、コンテンツの社会的影響力を測る貴重なバロメーターとして活用できます。定期的にモニタリングし、シェアされやすいコンテンツの傾向を分析することで、より効果的なコンテンツ戦略の立案が可能となるでしょう。
運用フェーズ別のKPI設定例

オウンドメディアの運用においては、立ち上げから成熟まで各フェーズによって重視すべきKPIが大きく異なります。ここでは、運用期間に応じた現実的なKPI設定例を、以下の3つのフェーズに分けて具体的に解説していきます。
- 立ち上げフェーズ
- 運用初期(半年〜1年)
- 運用中期以降(1年〜)
KPIを設定する際は、自社のメディアのフェーズに合ったKPIを設定しましょう。フェーズに適さないKPIを設定してしまうと、無理な目標設定となり運用チームのモチベーション低下を招く恐れがあります。各フェーズのKPI設定例を見てみましょう。
フェーズ別KPI目標値の変遷の例
フェーズ | 期間 | 月間セッション数 | 問い合わせ数 | 重点目標(KPI) |
---|---|---|---|---|
立ち上げ | 0-6ヶ月 | 1,000-5,000 | 0-5件 | 体制構築・認知度向上 |
運用初期 | 6ヶ月-1年 | 5,000-20,000 | 5-15件 | 成長加速・初期成果創出 |
運用中期以降 | 1年- | 20,000以上 | 20件以上 | 事業貢献・ROI最適化 |
立ち上げフェーズ
立ち上げフェーズ(運用開始〜6ヶ月)では、まずメディアの基盤構築と認知度向上に重点を置いた KPI設定が求められます。この時期は成果よりもプロセス重視の指標を中心に据えることが重要でしょう。
主要KPI例:
- 月間記事投稿数:4本
- 月間セッション数:5,000セッション
- 平均滞在時間:1分以上
立ち上げフェーズにおける最重要目標は、継続的なコンテンツ提供体制の確立です。品質の高い記事を定期的に投稿し、検索エンジンからの評価を徐々に蓄積していく必要があります。この段階では、コンバージョン数やリード獲得数といった成果指標は副次的な位置づけとしてください。まずは認知度向上に集中することが肝要なポイントです。
また、この時期には社内での理解促進も重要な課題となるでしょう。経営陣や他部署への定期的な進捗報告により、オウンドメディア運用への理解と支援を得ることが、長期的な成功の基盤となります。
オウンドメディアの立ち上げがこれからの場合は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:企業のオウンドメディア立ち上げ完全ガイド
運用初期(半年〜1年)

運用初期フェーズでは、基盤が整ったメディアの成長加速と、初期的な成果創出を目指したKPI設定へと移行していきます。このフェーズでは流入数の安定的な増加と、エンゲージメント向上を重視すべきでしょう。
主要KPI例:
- 月間記事投稿数:4本
- 月間セッション数:5,000セッション
- 平均滞在時間:1分以上
運用初期においては、SEO効果が本格的に現れ始める時期でもあります。検索上位表示される記事が増加し、オーガニック検索からの安定的な流入が期待できるようになるのです。同時に、サイト内回遊の促進やコンバージョン導線の最適化により、質的な向上も図っていく必要があります。
この段階では、コンテンツ制作プロセスの効率化も重要な課題です。記事テンプレートの整備や外部ライターとの連携体制構築により、品質を維持しつつ生産性を向上させることが求められます。
運用中期以降(1年〜)
運用中期以降のフェーズでは、オウンドメディアが事業に対して明確な貢献を示すことが期待されます。このため、KPIもより事業成果に直結した指標へと重点を移していく必要があるのです。
主要KPI例:
- 月間セッション数:20,000セッション以上
- 月間コンバージョン数:20件以上
- リード獲得単価(CPA):既存施策の80%以下
- 営業案件転換率:コンバージョンの20%以上
- 指名検索流入数:月間1,000セッション以上
運用中期以降においては、量的拡大よりも質的向上と効率性改善が重視されます。既存コンテンツの改善によるSEO順位向上、コンバージョン率の最適化、営業部門との連携強化により、真に事業に貢献するメディアへの発展を目指すべきでしょう。
また、この時期には競合分析やトレンド予測といった戦略的な取り組みも重要になります。市場環境の変化に対応し、継続的な成長を実現するための中長期戦略の策定と実行が求められるのです。
指名検索の増加は、オウンドメディアによる認知度向上の成果を示す重要な指標です。自社名や商品名での検索が増加することは、メディアを通じたブランド価値の向上を意味し、長期的な事業成長への貢献を表す指標として位置付けされます。
オウンドメディアのKPI設定のポイント4選

具体的なKPI例とフェーズ別設定方法を把握したところで、効果的なKPI設定を行うための重要なポイントについて詳しく解説していきます。適切なKPIを設定できても、設定後の運用方法や見直し頻度が不適切だと、本来の効果を発揮できません。ここでは、KPI設定を成功に導くための4つの重要なポイントを、実践的な観点から解説いたします。
ポイント1. SMARTの法則を意識する
KPI設定において最も基本的かつ重要な原則が、SMARTの法則の適用です。「SMART」とは、5つの項目のアルファベットの頭文字です。この法則に基づいた指標設定により、曖昧な目標ではなく実行可能で測定可能な明確なKPIを確立することができるようになります。
SMARTの法則の詳細
項目 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
Specific | 具体的 | 「アクセス数を増やす」→「月間セッション数を10,000に増加」 |
Measurable | 測定可能 | Google Analyticsで確実に数値取得できる指標を選択 |
Achievable | 達成可能 | 過去実績や業界平均を参考に現実的な目標設定 |
Relevant | 関連性 | 設定したKPIが最終的なKGI達成に直結 |
Time-bound | 期限設定 | 「6ヶ月後までに」など明確な達成期限を設定 |
たとえば「前年比500%」といった非現実的な目標は、チームのモチベーション低下を招く恐れがあります。SMARTの法則を適用することで、チーム全体が納得できる合理的なKPI設定が実現できるのです。
ポイント2. KPIを増やしすぎない
多くの企業が陥りがちな失敗として、あらゆる指標をKPIとして設定してしまうことが挙げられます。KPIの数が多すぎると、重要度の判断が困難になり、結果として焦点の定まらない運用となってしまう危険性があるのです。
効果的なKPI管理のためには、主要KPIを3〜5個程度に絞り込むことが推奨されます。各フェーズにおいて最も重要な指標を厳選し、それらに集中してリソースを配分することで、より効率的な成果向上が期待できるでしょう。
また、KPIの階層化も重要な概念となります。例えば、「月間コンバージョン数20件」を主要KPIとし、「月間セッション数」「コンバージョン率」を補助KPIとして設定するといった体系的な管理が効果的です。
ポイント3. チーム内で共通理解を持つ

KPI設定における重要な要素の一つが、運用チーム全体での共通理解の確立です。各メンバーがKPIの意味と重要性を正確に理解していない場合、一貫性のない施策が実行されてしまうかもしれません。結果として、期待される成果を得られない恐れがあります。
共通理解の醸成には、KPI設定の背景と根拠の共有が不可欠です。なぜその指標を選択したのか、どのような改善活動が期待されているのか、各メンバーの役割がKPI達成にどのように貢献するのかを明確に伝える必要があります。
また、KPIダッシュボードの構築も効果的でしょう。Google Data StudioやTableauなどのツールを活用し、チーム全員がリアルタイムで現状を把握できる環境を整備することで、自発的な改善活動を促進することが可能となります。
ポイント4. 定期的にKPIを見直す
オウンドメディア運用において、一度設定したKPIを固定的に扱うのは適切ではありません。市場環境の変化、競合状況の変動、自社事業戦略の調整などにより、最適なKPIは常に変化する可能性があるためです。
KPIの見直し頻度は、四半期ごとが一般的とされています。この頻度であれば、短期的な変動に惑わされることなく、中長期的なトレンドを踏まえた適切な判断が可能となるでしょう。見直しの際は、現行KPIの達成状況、市場環境の変化、事業戦略の調整、新たな競合の出現などを総合的に検討する必要があります。
ただし、頻繁すぎるKPI変更は運用チームの混乱を招く恐れがあるため注意しましょう。変更の際は、その理由と新たなKPIの意味について、チーム全体への丁寧な説明を心がけることが重要です。
まとめ | オウンドメディアのKPIを正しく設定して、効果的な運営を実現しよう!

オウンドメディアは、記事を更新するだけでは成果につながりません。重要なのは、KGIに向けた明確なKPIを設定し、進捗を数値で把握しながら改善を重ねていくことです。
この記事では、KPIとKGIの違い、KPIが果たす役割、設定手順、具体的な指標例、フェーズ別の設定例、そして運用のポイントまで解説しました。共通して言えるのは「測定できる指標を持つことで、感覚的な運営から脱却し、戦略的に成果を伸ばせる」という点です。
まずはKGIを明確にし、それを分解したKPIを設定することから始めてみましょう。そして、SMARTの法則に沿った妥当性のある指標を選び、チーム全体で共有し、定期的に見直していくことが成功への近道となります。
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