WordPressで自社ホームページ作成!作成手順や実例7選などを徹底解説

WordPressで自社ホームページを作成する方法を初心者向けに完全解説。基礎知識、作成手順、メリット・デメリット、実際の企業の実例までを網羅しました。
WordPressでホームページ作成を検討する前に知っておくべき基礎知識

企業のホームページ作成を検討する際、必ず選択肢に挙がるのがWordPress(ワードプレス)です。W3Techsの調査によると、世界中のWebサイトの約43.4%がWordPressで構築されています(2024年12月時点)。この圧倒的なシェアが、WordPressの信頼性と実用性を物語っています。しかし、実際にWordPressでホームページを作るとなると、そもそもWordPressとは何なのか、他のツールと何が違うのか、なぜこれほど多くの企業に選ばれているのか、といった基本的な疑問を持つ方も多いでしょう。
この章では、WordPressの基本的な仕組みから、他のホームページ作成ツールとの違い、そして企業に選ばれる理由まで、WordPressでホームページ作成を始める前に知っておくべき基礎知識を整理します。
以下の3つの観点から解説していきます:
- WordPressの仕組みと特徴
- 他のホームページ作成ツールとの比較
- WordPressが企業ホームページに選ばれる理由
WordPressの仕組みと特徴をわかりやすく解説
WordPressは、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれるWebサイト管理システムの一種です。CMSとは、HTMLやCSSといった専門的なコードを書かなくても、管理画面から文章や画像を入力するだけでWebページを作成・更新できるシステムのことを指します。
従来のホームページ制作では、1ページごとにHTMLファイルを作成し、デザインを整えるためにCSSを記述し、サーバーにアップロードするという複雑な作業が必要でした。しかしWordPressを使えば、ブログを書くような感覚で記事を投稿でき、デザインも「テーマ」と呼ばれるテンプレートを選ぶだけで、プロフェッショナルな見た目のホームページが完成します。

出典:WordPress
W3Techsによる2024年12月のデータを見ると、WordPressの世界シェアは、CMS市場の約62.8%を占めています。つまり、CMSを使って構築されたWebサイトの3分の2近くがWordPressということになります。DataSign Report上場企業調査2023によると、日本国内でも上場企業3,816社のうち約18%がWordPressを採用しているという結果が出ています。
このような圧倒的なシェアを獲得している背景には、オープンソースという特性があります。WordPressのソフトウェア自体は完全無料で利用でき、世界中の開発者が機能改善に貢献しているため、常に最新の技術やセキュリティ対策が反映されています。また、日本語を含む200以上の言語に対応しており(WordPress.org公式情報)、国内でも安心して利用できる環境が整っています。
WordPressと他のホームページ作成ツールとの比較
ホームページ作成ツールは、WordPress以外にも様々な選択肢があります。代表的なツールとWordPressを比較してみましょう(2025年1月時点の各社公式サイト情報に基づく)。
項目 | WordPress | Wix | Jimdo | ペライチ |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円(ソフトウェア自体) | 0円〜 | 0円〜 | 0円〜 |
月額費用 | 500円〜2,000円程度(サーバー代) | 0円〜13,500円 | 0円〜5,330円 | 0円〜6,910円 |
カスタマイズ性 | ◎(完全自由) | △(制限あり) | △(制限あり) | ×(テンプレート内) |
学習難易度 | 中〜高 | 低 | 低 | 低 |
SEO対策 | ◎(細かく設定可能) | ○(基本機能あり) | ○(基本機能あり) | △(限定的) |
機能拡張性 | ◎(プラグイン6万個以上) | ○(アプリ追加可能) | △(限定的) | ×(ほぼなし) |
データ移行 | ◎(自由に可能) | ×(困難) | ×(困難) | ×(困難) |
サポート体制 | ◯(コミュニティ中心) | ◎(公式サポート) | ◎(公式サポート) | ◎(公式サポート) |
この比較表から分かるように、WordPressは初期の学習コストは高いものの、カスタマイズ性と拡張性において圧倒的な優位性を持っています。特に、将来的な事業拡大やサイトリニューアルを見据えている企業にとっては、データ移行の自由度が高いWordPressは魅力的な選択肢となります。
一方で、Wixやjimdoなどのクラウド型サービスは、初心者でも直感的に操作できる点が強みです。ドラッグ&ドロップでレイアウトを変更でき、最短1日でホームページを公開することも可能です。ただし、デザインや機能の自由度には限界があり、本格的なビジネスサイトを構築する際には物足りなさを感じることもあるでしょう。
WordPressが企業ホームページに選ばれる5つの理由

多くの企業がWordPressを選択する理由は、単に人気があるからではありません。ビジネスの成長を支える実用的なメリットが存在します。
1. 圧倒的な拡張性で事業成長に対応
WordPress.orgの公式プラグインディレクトリには、2025年1月時点で約60,000個のプラグイン(拡張機能)が登録されています。
予約システム、会員制サイト、ECサイト、多言語対応など、あらゆる機能を後から追加できます。最初はシンプルな企業サイトとしてスタートし、事業の成長に合わせて機能を拡張していくことが可能です。
2. SEO対策に有利な構造
元Google検索品質チームのMatt Cutts氏は、「WordPressはSEOの80-90%をカバーしている」と評価しています(WordCamp San Francisco 2009での発言)。
URL構造のカスタマイズ、メタタグの個別設定、XMLサイトマップの自動生成など、検索エンジンに評価されやすいサイト構築が可能です。実際、Ahrefsの調査では、検索上位に表示されるサイトの多くがWordPressで構築されているという結果も出ています。
3. 豊富なデザインテーマでコストを削減
WordPress.orgの公式テーマディレクトリには約13,000個の無料テーマが登録されており(2025年1月時点)、ThemeForestなどのマーケットプレイスを含めると数万種類のテーマが利用可能です。
プロがデザインしたテーマを使用することで、制作会社に依頼した場合の数十万円のデザイン費用を大幅に削減できます。
4. 更新作業の内製化が可能
WordPressは、HTMLの知識がなくても、社内スタッフが記事の投稿や更新作業を実施することが可能です。エンジニアやWebデザイナーといった専門スタッフを新規で採用せず、既存のスタッフが更新作業を担当できます。従来は制作会社に制作会社に都度更新を依頼するケースが定番でしたが、WordPressを導入すればその必要がなくなり、タイムリーな情報発信ができる体制を構築できます。
5. 世界標準による安心感と情報量
WordPressは世界中で利用されているため、トラブルシューティングの情報が豊富に存在します。WordPress.orgの公式フォーラムには300万以上のトピックが投稿されており、日本語の解説記事や動画も多く、困ったときの解決策が見つけやすいという利点があります。また、多くのWeb制作会社がWordPressに対応しているため、外注先の選択肢も豊富です。
出典:https://w3techs.com/technologies/details/cm-wordpress
出典:https://oshiete-url.jp/report/cms/2023_8/
出典:https://wordpress.org/plugins/
出典:https://www.mattcutts.com/blog/seo-for-bloggers/
WordPressを導入するメリット7選
WordPressが世界中で圧倒的なシェアを獲得している背景には、ビジネスに直結する明確なメリットが存在します。この章では、WordPressを選ぶべき7つの理由を詳しく解説していきます。
メリット1. 初期投資を最小限に抑えられる費用対効果の高さ
WordPress本体は完全無料で利用できるオープンソースソフトウェアです。必要な費用はレンタルサーバー代(月額500円〜2,000円程度)とドメイン代(年額1,000円〜3,000円程度)のみとなります。制作会社に依頼した場合の初期費用と比較してみましょう。一般的な企業サイト(10ページ程度)の制作費用相場は30万円〜100万円ですが、WordPressを自作する場合、初期費用は1万円以下に抑えることも可能です。仮に有料テーマ(1万円〜3万円)を購入したとしても、大幅なコスト削減が実現できます。
さらに、運用面でも大きなメリットがあります。制作会社に更新を依頼すると、1回あたり5,000円〜30,000円の作業費が発生することが一般的ですが、WordPressなら社内で無制限に更新作業を行えます。月に10回更新する企業の場合、年間で60万円〜240万円のコスト削減につながる計算です。
メリット2. 6万種類を超えるプラグインによる無限の拡張性
WordPressの最大の強みの一つが、豊富なプラグインによる機能拡張です。プラグインとは、WordPressに新しい機能を追加するための拡張プログラムのことで、多くが無料で提供されています。
代表的なプラグインと実現できる機能:
- Contact Form 7:お問い合わせフォームの設置(1,000万サイト以上で利用)
- WooCommerce:本格的なECサイト構築(全世界のECサイトの28%が利用)
- Yoast SEO:SEO対策の自動化と最適化
- All-in-One WP Migration:サイトの引っ越しやバックアップ
- WPML:多言語サイトの構築
- TablePress:複雑な表やデータベースの管理
- Events Calendar:イベント管理・予約システム
これらの機能を個別に開発すると、それぞれ数十万円の開発費用がかかりますが、プラグインを使えば無料または数千円程度で実装できます。また、事業の成長に合わせて必要な機能を後から追加できるため、スモールスタートが可能です。
メリット3. SEOに強い構造で検索上位表示を実現
WordPressは、検索エンジン最適化(SEO)において優れた構造を持っています。標準機能として、以下のSEO対策が可能です。
- パーマリンク(URL構造)の自由な設定
- XMLサイトマップの自動生成
- レスポンシブデザインによるモバイル対応
- 構造化データの実装
- ページごとのメタタグ設定
- 高速表示のための最適化機能
元Google検索品質チームのMatt Cutts氏は、WordCamp San Francisco 2009の講演で「WordPressは、SEOに関する多くの問題を自動的に解決してくれる。SEOの手法の80〜90%に対応している」と評価しています。
また、WordPressには「Yoast SEO」や「All in One SEO」といった強力なSEOプラグインが存在し、これらを活用することで、専門知識がなくても適切なSEO対策を実施できます。実際に、多くのSEO専門家やデジタルマーケティング企業がWordPressを推奨しており、検索エンジンとの親和性の高さは業界内でも広く認められています。
メリット4. 1万種類以上のデザインテーマで即座にプロ仕様のサイトを実現
WordPressには、プロのデザイナーが作成した高品質なテーマが豊富に用意されています。テーマを適用するだけで、コーディング知識がなくても洗練されたデザインのホームページが完成します。
テーマの種類と特徴:
- 無料テーマ:WordPress公式ディレクトリに約12,000種類
- 有料テーマ:1万円〜5万円程度で購入可能
- 業種別テーマ:医療、飲食、美容、製造業など業界特化型
- 日本製テーマ:日本語フォントに最適化された国産テーマ
特筆すべきは、レスポンシブデザイン(スマートフォン対応)が標準装備されている点です。総務省の調査では、インターネット利用者の約70%がスマートフォンを使用しているため、モバイル対応は必須要件となっています。WordPressのテーマを使えば、追加費用なしでマルチデバイス対応が実現できます。
メリット5. 直感的な操作で更新作業を内製化
従来は、Webサイトの編集や更新は、限られた専門家しかできませんでした。WordPressの管理画面は、Microsoft Wordのような文書作成ソフトと似た操作感で設計されています。そのため、プログラミングに詳しくなくても更新作業が可能です。
例えば、以下の作業が簡単に行えるのです:
- 記事の投稿・編集・削除
- 画像のアップロードとサイズ調整
- PDFファイルなどの資料掲載
- メニューの追加・変更
- お知らせやニュースの更新
- ページの新規作成
実際の導入効果として、ある製造業の企業では、それまで外注していた更新作業を内製化することで、年間120万円のコスト削減と、情報発信のスピードが3倍に向上したという事例があります。社内スタッフが直接更新できることで、タイムリーな情報発信が可能になり、顧客満足度の向上にもつながります。
メリット6. 世界標準による情報量の豊富さと問題解決の速さ
WordPressは世界中で4億5,500万以上のWebサイトで利用されているため、あらゆる問題に対する解決策がインターネット上に存在します。
情報源の豊富さ:
- 公式フォーラム:300万以上のトピック
- YouTube解説動画:日本語だけで10万本以上
- 技術ブログ:数千のWordPress専門サイト
- 書籍:国内だけで200冊以上の関連書籍
- オンライン講座:Udemyなどで1,000以上のコース
トラブルが発生した際も、エラーメッセージで検索すれば、ほぼ確実に解決方法が見つかります。また、WordPress専門のコミュニティやFacebookグループも活発で、質問すれば数時間以内に回答が得られることも珍しくありません。
メリット7. 将来性と移行の自由度が保証される安心感
WordPressはオープンソースプロジェクトとして、特定の企業に依存しない開発体制を持っています。これにより、サービス終了のリスクがなく、長期的な運用が保証されています。
また、データの完全な所有権とエクスポート機能により、いつでも他のシステムへの移行が可能です。他のクラウド型サービスでは、サービス終了時にデータが失われるリスクがありますが、WordPressならすべてのデータを自社で管理できます。実際、他のCMSからWordPressへの移行ツールも豊富に用意されており、将来的な選択肢を狭めることがありません。
出典:https://www.mattcutts.com/blog/seo-for-bloggers/
WordPressのデメリット5選と対処法

WordPressには多くのメリットがある一方で、導入前に必ず理解しておくべきデメリットも存在します。これらのデメリットを知らずに導入すると、後になって「こんなはずじゃなかった」という事態に陥る可能性があります。しかし、事前に課題を把握し、適切な対処法を準備しておけば、多くの問題は回避できます。
この章では、WordPressの現実的なデメリットを包み隠さずお伝えし、それぞれの課題に対する具体的な対処法も合わせて解説していきます。
1. セキュリティリスクへの継続的な対策が必要
WordPressは世界中で最も利用されているCMSであるがゆえに、悪意のある攻撃者の標的になりやすいという現実があります。実際、改ざんやマルウェア感染、不正アクセスなどの被害報告は後を絶ちません。
主なセキュリティリスク:
- 管理画面への不正ログイン試行
- プラグインの脆弱性を狙った攻撃
- 古いバージョンのWordPressを狙った攻撃
- SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング
対処法: 基本的なセキュリティ対策を実施することで、リスクを大幅に軽減できます。まず、WordPressやプラグインを常に最新版にアップデートすることが重要です。また、「Wordfence Security」や「SiteGuard WP Plugin」などのセキュリティプラグインを導入し、ログイン試行回数の制限や不正アクセスの監視を行いましょう。パスワードは英数字記号を組み合わせた複雑なものにし、定期的に変更することも欠かせません。
2. 学習コストと時間投資が必要
WordPressは確かに「簡単」と言われることもありますが、それは基本的な操作に限った話です。本格的なホームページを作成し、継続的に運用していくためには、相応の学習時間が必要になります。
習得が必要な知識・スキル:
- WordPress管理画面の操作方法
- プラグインの選定と設定
- テーマのカスタマイズ基礎
- 基本的なSEO知識
- セキュリティ対策の理解
- トラブルシューティングの方法
初心者が一通りの操作を習得するまでに、少なくとも20〜30時間程度の学習時間が必要です。さらに、デザインのカスタマイズやより高度な機能を実装しようとすると、HTMLやCSSの基礎知識も求められます。
対処法: 段階的な学習アプローチを採用することで、無理なくスキルを身につけることができます。まずは無料のテスト環境(Local by FlywheelやXAMPPなど)で練習し、基本操作に慣れてから本番サイトの構築に取り組みましょう。また、YouTubeの解説動画やオンライン講座を活用すれば、効率的に学習を進められます。どうしても時間が取れない場合は、初期構築だけプロに依頼し、日常の更新作業のみ自社で行うというハイブリッド型の運用も検討できます。
3. 定期的なメンテナンスが不可欠

WordPressサイトは、一度作ったら終わりではありません。安全で快適な状態を維持するためには、定期的なメンテナンス作業が必要です。これを怠ると、セキュリティリスクが高まったり、サイトの表示速度が低下したりする可能性があります。
必要なメンテナンス作業:
- WordPress本体のアップデート
- プラグインのアップデート
- テーマのアップデート
- データベースの最適化
- バックアップの取得
- 不要なプラグインやテーマの削除
対処法: メンテナンス作業を効率化するツールやサービスを活用しましょう。「UpdraftPlus」などのバックアッププラグインを使えば、自動バックアップが可能です。また、レンタルサーバーによっては自動アップデート機能を提供している場合もあります。メンテナンス作業のチェックリストを作成し、定期的なスケジュールを設定することで、作業の抜け漏れを防げます。
4. トラブル発生時の自己解決が求められる
WordPressはオープンソースソフトウェアのため、公式の電話サポートやチャットサポートは存在しません。何か問題が発生した場合、基本的には自分で解決方法を調べる必要があります。
よく発生するトラブル:
- プラグインの競合による不具合
- アップデート後の表示崩れ
- 画面が真っ白になるエラー
- ログインできなくなる問題
- サイトの表示速度低下
対処法: トラブルに備えて、事前準備をしておくことが重要です。まず、変更を加える前には必ずバックアップを取得しましょう。また、エラーが発生した際の基本的な対処法(プラグインの無効化、テーマの切り替え、デバッグモードの活用など)を事前に学んでおくことで、多くの問題に対応できます。解決が困難な場合は、WordPressに詳しいWeb制作会社やフリーランスに有料でサポートを依頼することも可能です。
5. 表示速度の最適化に技術的な知識が必要
WordPressは多機能な分、適切な最適化を行わないとサイトの表示速度が遅くなる傾向があります。Googleは表示速度をランキング要因の一つとしているため、SEOの観点からも速度改善は重要です。
表示速度低下の主な原因:
- 画像の最適化不足
- 不要なプラグインの過剰インストール
- キャッシュ設定の不備
- レンタルサーバーの性能不足
- テーマの重さ
対処法: 基本的な速度改善は、プラグインを使って対応できます。「WP Rocket」や「W3 Total Cache」などのキャッシュプラグイン、「EWWW Image Optimizer」などの画像最適化プラグインを活用しましょう。また、高速なレンタルサーバーを選択することも重要です。より高度な最適化が必要な場合は、専門家に診断と改善を依頼することを検討してください。
WordPressでのホームページ作成が向いている企業の5つの特徴

WordPressは世界中で愛用されているCMSですが、その真価を発揮できるかどうかは、導入する企業の特性に大きく左右されます。実際の成功事例を分析すると、WordPressで大きな成果を上げている企業には明確な共通点があります。
WordPressの導入が成功しやすい企業の特徴は、以下の5つです:
- 定期的な情報発信でビジネスチャンスを広げたい企業
- 限られた予算で最大の効果を求める中小企業・スタートアップ
- SEO対策で検索エンジンからの集客を本気で狙う企業
- 将来の拡張性を重視し、段階的に成長させたい企業
- 社内にWeb運用への意欲的な人材がいる企業
これらの特徴について、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
1. 定期的な情報発信でビジネスチャンスを広げたい企業
コンテンツマーケティングを実践したい企業にWordPressは最適な選択肢の1つです。
WordPressの最大の強みは、情報発信のしやすさにあります。もともとブログシステムとして開発されたWordPressは、記事の投稿、管理、公開までの一連の作業が驚くほどスムーズに行えます。
実際の活用例として、ある製造業の企業では、技術ブログを週2回更新することで、1年間で検索流入が5倍に増加し、問い合わせ件数が3倍になったという成果を上げています。記事のカテゴリー分類、タグ付け、予約投稿、下書き保存など、継続的な情報発信を支援する機能が標準装備されているため、担当者の負担を最小限に抑えながら、質の高いコンテンツを量産できます。
複数の担当者で記事を作成する場合も、投稿者ごとに権限を設定できるため、承認フローを含めた運用体制を構築できます。製造業の技術解説、不動産業の物件情報、士業の法改正情報など、業種を問わず活用できる柔軟性も魅力です。
2. 限られた予算で最大の効果を求める中小企業・スタートアップ
WordPressは、初期投資を抑えて本格的なホームページを作りたい企業にぴったりです。
WordPressの導入により、制作費用を大幅に削減できます。一般的な企業サイトを制作会社に依頼すると30万円〜100万円かかりますが、WordPressなら月額1,000円程度のサーバー代と年額1,500円程度のドメイン代だけで始められます。
この圧倒的なコストメリットにより、浮いた予算を広告費やコンテンツ制作費に回すことができます。スタートアップ企業が限られた資金を有効活用したい場合や、中小企業がデジタル化の第一歩を踏み出す際に、WordPressは現実的な選択肢となります。
ただし、コストメリットを最大化するためには、社内である程度の作業を担う必要があります。初期構築は外注し、日常の更新は内製化するというハイブリッド型の運用も可能です。
3. SEO対策で検索エンジンからの集客を本気で狙う企業
WordPressは、検索上位表示を狙い、広告費に依存しない集客を実現したい企業に向いているCMSです。
WordPressは、SEOに必要な機能が標準で備わっているため、検索エンジンからの集客に有利です。検索エンジンが理解しやすいサイト構造、カスタマイズ可能なURL、自動生成されるXMLサイトマップなど、技術的なSEO要件を自然にクリアできます。
さらに、「Yoast SEO」などの高機能プラグインを使えば、専門知識がなくても適切な対策を実施できます。地域名+サービス名で上位表示を狙う地域密着型ビジネスや、専門用語で検索される専門サービスを提供する企業は、WordPressのSEO機能を最大限活用できるでしょう。
長期的にコンテンツを蓄積していくことで、検索流入という安定した集客チャネルを構築できます。リスティング広告費を削減しながら、質の高い見込み客を獲得したい企業にとって、WordPressは強力な武器となります。
4. 将来の拡張性を重視し、段階的に成長させたい企業
WordPressは、小さく始めて大きく育てたい、成長志向の企業に向いています。
WordPressの拡張性により、事業の成長に合わせてWebサイトも進化させることができます。最初は基本的な会社案内サイトから始め、必要に応じてブログ機能、会員機能、EC機能、多言語対応などを追加していきましょう。
この段階的な成長を、大規模なリニューアルなしに実現できるのがWordPressの強みです。例えば、創業時は5ページ程度のシンプルなサイトでスタートし、3年後には100ページを超える本格的なオウンドメディアに成長させることも可能です。
必要な時に必要な機能だけを追加できるため、無駄な投資を避けながら、着実にサイトを成長させることができます。将来のビジョンは明確だが、現時点では予算や体制が整っていない企業にとって、WordPressは理想的なプラットフォームとなります。
5. 社内にWeb運用への意欲的な人材がいる企業
Webサイトを育てる意欲がある担当者がいる企業は、WordPressで成功しやすいです。
WordPressの成功に最も重要なのは、技術力ではなく「運用への意欲」です。新しいことを学ぶことに抵抗がなく、トライ&エラーを楽しめる人材がいれば、技術的な知識は後からついてきます。
この担当者は、必ずしもIT専門家である必要はありません。実際、WordPressで成功している企業の多くは、営業部門や企画部門の担当者が兼務でWeb運用を行っています。重要なのは、継続的な改善に取り組み、数値を見て効果検証ができ、社内の情報を積極的に発信できる姿勢です。
週に3〜5時間程度でもWeb運用に時間を割ける人材がいれば、WordPressを活用した成果創出は十分可能です。この熱意こそが、WordPressを活用した成功への最大の鍵となります。
WordPressでのホームページ作成を避けるべき企業の4つの特徴

WordPressは優れたCMSですが、万能ではありません。企業の状況や要件によっては、WordPress以外の選択肢を検討した方が良い結果を得られる場合があります。無理にWordPressを導入して失敗するよりも、自社に適したソリューションを選択することが、結果的にコスト削減と成功への近道となります。
WordPressの導入を避けるべき企業の特徴は、以下の4つです:
- 完全にメンテナンスフリーを求める企業
- 超大規模サイトや特殊なシステム要件がある企業
- ITリテラシーが低く、学習への投資ができない企業
- 即座に完璧なサイトを必要とする企業
これらの特徴に該当する場合の代替案も含めて、詳しく解説していきます。
1. 完全にメンテナンスフリーを求める企業
「作ったら終わり」を望む企業には、WordPressは適していません。
WordPressは、定期的なメンテナンスが必須のシステムです。WordPress本体、プラグイン、テーマのアップデートを怠ると、セキュリティリスクが高まり、最悪の場合サイトが改ざんされる可能性があります。
必要なメンテナンス作業には、月1〜2回のWordPress本体のアップデート、週1回程度のプラグインアップデート、定期的なバックアップの取得などがあります。これらの作業は、1回あたり15〜30分程度で完了しますが、継続的に行う必要があります。
もし、このような定期的な作業に時間を割けない、または外注費用(月額5,000円〜20,000円程度)も払いたくないという企業は、WixやJimdoなどの完全クラウド型サービスを選択した方が良いでしょう。これらのサービスなら、システムのメンテナンスはすべてサービス提供側が行うため、利用者は内容の更新だけに集中できます。
2. 超大規模サイトや特殊なシステム要件がある企業
数万ページ規模や独自の複雑なシステム連携が必要な企業は、WordPressではなく専用システムを検討すべきです。
WordPressは汎用的なCMSとして優れていますが、超大規模サイトや特殊な要件には限界があります。例えば、数万ページを超えるコンテンツを管理する場合、データベースのパフォーマンスが低下し、管理画面の動作が重くなる可能性があります。
また、以下のような要件がある企業も、WordPress以外の選択を検討すべきです:
- リアルタイムで大量のトランザクション処理が必要
- 金融系システムとの密接な連携が必須
- 独自の複雑な承認フローや権限管理が必要
- ミッションクリティカルなシステムとの統合が必要
このような企業は、要件に特化した専用システムの開発や、エンタープライズ向けCMSの導入を検討することをおすすめします。初期費用は高額になりますが、長期的に見れば、要件に最適化されたシステムの方が運用効率が良くなる可能性があります。
3. ITリテラシーが低く、学習への投資ができない企業
新しいシステムを学ぶ時間も意欲もない企業は、フルサポート型のサービスを選ぶべきです。
WordPressは「簡単」と言われることもありますが、それは基本的なITリテラシーがある前提での話です。パソコンの基本操作に不安がある、ファイルのアップロードやダウンロードの意味が分からない、といったレベルの場合、WordPressの習得は困難を極めます。
さらに重要なのは、学習への意欲と時間の確保です。WordPressを使いこなすには、最低でも20〜30時間の学習時間が必要です。この時間を業務時間内に確保できない、または外部研修に参加する予算がない企業は、WordPress導入後に挫折する可能性が高いでしょう。
このような企業は、制作から運用まですべてを外注するか、電話サポート付きのホームページ作成サービスを利用することをおすすめします。月額費用は高くなりますが、社内リソースを本業に集中させることができます。
4. 即座に完璧なサイトを必要とする企業
早急に高品質なサイトが必要な企業は、プロに依頼すべきです。
WordPressで本格的なサイトを作るには、相応の時間が必要です。テーマ選定、コンテンツ作成、デザイン調整、動作確認など、各工程を丁寧に進めると、最低でも1ヶ月程度はかかります。初心者の場合は、2〜3ヶ月を見込んでおく必要があるでしょう。
以下のような状況の企業は、WordPressの自作ではなく、制作会社への依頼を選択すべきです:
- 展示会や商談に間に合わせる必要がある
- 投資家向けの説明会が迫っている
- 法的な理由で期限が決まっている
- 競合他社との差別化で特殊なデザインが必要
プロに依頼すれば、短期間で高品質なサイトを構築できます。費用は高額になりますが、ビジネスチャンスを逃すリスクを考えれば、合理的な投資となる場合があります。また、制作会社によってはWordPressで構築してくれるところも多いため、初期構築はプロに依頼し、その後の運用を自社で行うという選択肢もあります。これらの特徴に該当する企業は、無理にWordPressを選択するのではなく、自社の状況に最適なソリューションを選ぶことが重要です。場合によっては、初期費用が高くても、長期的にはコストパフォーマンスが良くなることもあります。大切なのは、自社の現状と将来像を正確に把握し、それに基づいて最適な選択をすることです。
WordPressホームページ作成にかかる費用の完全内訳

WordPressでホームページを作成する際、「本体は無料」という情報だけで判断すると、予想外の出費に戸惑うことがあります。実際には、ドメイン、サーバー、テーマ、プラグインなど、様々な費用が発生する可能性があります。また、自作する場合と制作会社に依頼する場合では、費用構造が大きく異なります。
この章では、WordPressホームページ作成に必要な費用を項目別に詳しく解説し、予算計画を立てる際の参考にしていただけるよう、具体的な金額を提示します。
費用は以下の3つの観点から整理していきます:
- 初期費用の内訳(ドメイン・サーバー・テーマ・プラグイン)
- 月額・年額でかかる運用費用
- 自作と制作会社依頼の費用比較シミュレーション
初期費用の内訳(ドメイン・サーバー・テーマ・プラグイン)
WordPressの初期費用は、最小限なら5,000円程度、充実させても5万円以内で収まります。WordPressでホームページを立ち上げる際の初期費用を、必須項目と任意項目に分けて整理しました。
必須の初期費用
項目 | 費用範囲 | 詳細説明 |
---|---|---|
独自ドメイン | 1,000円〜3,000円/年 | .comや.jpなどのドメイン取得費用。.comは年額1,500円程度、.jpは年額3,000円程度が相場 |
レンタルサーバー初期設定費 | 0円〜3,300円 | サーバー会社により異なる。キャンペーンで無料になることも多い |
SSL証明書 | 0円〜 | 無料SSL(Let’s Encrypt)で十分。企業認証SSLは年額5万円〜 |
WordPress本体 | 0円 | オープンソースのため完全無料 |
任意の初期費用
項目 | 費用範囲 | 選び方のポイント |
---|---|---|
有料テーマ | 5,000円〜30,000円 | 日本製テーマは1〜2万円、海外製は5,000円〜1万円が中心価格帯 |
有料プラグイン | 各3,000円〜10,000円 | 必要に応じて購入。多くの機能は無料プラグインでカバー可能 |
ロゴ作成 | 10,000円〜50,000円 | クラウドソーシングなら10,000円〜、プロデザイナーは3万円〜 |
画像素材 | 0円〜30,000円/年 | 無料素材サイトも豊富。有料のサブスクも存在する。 |
初期費用の目安(パターン別)
最小限、標準、充実の3つのパターンで、おおまかな費用感を作成いたしました。実際は選択する条件や仕様によって異なりますが、参考にしてみてください。
最小限パターン(総額:約5,000円)
項目 | 費用 |
---|---|
独自ドメイン(.com) | 1,500円 |
サーバー初期費用 | 3,300円 |
無料テーマ使用 | 0円 |
無料プラグインのみ | 0円 |
標準パターン(総額:約20,000円)
項目 | 費用 |
---|---|
独自ドメイン(.jp) | 3,000円 |
サーバー初期費用 | 3,300円 |
有料テーマ | 15,000円 |
無料プラグインのみ | 0円 |
充実パターン(総額:約50,000円)
項目 | 費用 |
---|---|
独自ドメイン(.jp) | 3,000円 |
サーバー初期費用 | 3,300円 |
有料テーマ | 20,000円 |
有料プラグイン | 10,000円 |
ロゴ作成 | 15,000円 |
月額・年額でかかる運用費用
運用に必要な費用は月額500円〜5,000円程度。サーバーのグレードとオプションサービスで変動します。WordPressサイトを維持するための継続的な費用を表に整理しました。
必須の運用費用
項目 | 月額費用 | 年額費用 | 備考 |
---|---|---|---|
レンタルサーバー代 | 500円〜3,000円 | 6,000円〜36,000円 | アクセス数により必要スペックが変動 |
ドメイン更新費 | 約125円(年額を月割) | 1,500円〜3,000円 | 2年目以降も同額程度 |
レンタルサーバーの価格帯別比較
レンタルサーバーは、必要なスペックや容量によって適切なものを選択します。最近では月額1,000円前後で利用できるプランも存在するので、まずは小規模から始めることが可能です。スモールスタートをして、Webサイトへのアクセスや規模が大きくなってきたらグレードを上げていきましょう。
エコノミープラン(月額500円〜1,000円)
- 個人ブログや小規模サイト向け
- 月間1万PV程度まで対応
- 容量:10GB〜50GB
- おすすめ:ロリポップ(ライトプラン)、さくらインターネット(スタンダード)
スタンダードプラン(月額1,000円〜2,000円)
- 中小企業の標準的なサイト向け
- 月間10万PV程度まで対応
- 容量:100GB〜200GB
- おすすめ:エックスサーバー(スタンダード)、ConoHa WING(ベーシック)
ハイスペックプラン(月額2,000円〜5,000円)
- 大規模サイトやECサイト向け
- 月間50万PV以上も対応
- 容量:300GB以上
- おすすめ:エックスサーバー(プレミアム)、mixhost(プレミアム)
WordPressホームページを7ステップで作成する具体的手順

最短距離で公開まで到達するには、順番を崩さずに進めることがいちばんの近道です。この章では、初めての方でも迷わないように、WordPressでホームページを作成するための契約・設定・制作・公開までを7つの手順で解説します。
全体の流れは以下の7ステップです:
- レンタルサーバーの選定と契約
- 独自ドメインの取得と設定
- WordPressのインストールと初期設定
- テーマの選定とインストール
- 必要なプラグインの導入
- ページ作成(固定ページ・投稿ページ)
- 公開前の最終チェックと公開設定
ステップ1:レンタルサーバーの選定と契約
最初に、レンタルサーバーを選んで契約しましょう。レンタルサーバーは、今後のサイト運営の安定性や集客効果を左右する重要な基盤です。初心者には、WordPressの簡単インストール機能や無料SSL、自動バックアップが標準搭載された国内レンタルサーバーが適しています。これらの条件を満たすサーバーを選べば、構築も運用もスムーズに進められます。
契約は数分で完了し、すぐに管理画面へログインできます。ログイン情報は後の作業でも必ず必要になるため控えておきましょう。また、サーバー選びでは速度・安定性・サポート・セキュリティの4つを重視してください。表示速度が遅いと離脱率が上がり、SEO評価にも悪影響を与えるため、性能面は特に慎重に比較検討する必要があります。
ステップ2:独自ドメインの取得と設定
ステップ2では、レンタルサーバーと紐付ける独自ドメインを取得しましょう。独自ドメインは、インターネット上の「住所」にあたる重要な要素です。
企業サイトやブログの信頼性を高めるためには、無料のサブドメインではなく、自分専用のドメインを取得することが必須です。短く覚えやすく、ブランドやサービス名に関連したドメインを選ぶと、SEOにも有利になります。
取得後は、レンタルサーバーの管理画面からドメインを登録・紐付けします。設定が反映されるまで数時間〜最大48時間ほどかかる場合がありますが、この待機時間にWordPressのインストール準備を進めておくと効率的です。なお、ドメインの契約期間は1年更新が基本なので、忘れずに更新手続きを行いましょう。
ステップ3:WordPressのインストールと初期設定
ステップ3では、レンタルサーバーの管理画面からWordPressをインストールします。ほとんどの国内レンタルサーバーには「WordPress簡単インストール」機能があり、数分でセットアップできます。初心者でも管理画面の指示に従ってブログ名・ユーザー名・パスワードを入力するだけで完了するため、難しい知識は不要です。
ここで設定したユーザー名とパスワードは、今後サイトの管理画面(ダッシュボード)へログインする際に必要になるため、必ず控えておきましょう。
インストールが完了すると、独自ドメインにアクセスするだけでWordPressの初期サイトが表示されます。続いて、管理画面からテーマやプラグインを設定できる状態になるため、この段階で「https://自分のドメイン/wp-admin」にアクセスし、正常にログインできるか確認しておくことが重要です。
ステップ4:テーマの選定とインストール

出典:WordPress
ステップ4では、Webサイトのデザインと機能性を決めるテーマを選んでインストールします。テーマはWordPressサイトの見た目と使いやすさを大きく左右します。
企業サイトやブログ、ECサイトなど、目的に合ったテーマを選ぶことが重要です。初心者であれば、次の要件を満たしたテーマがおすすめです。
- 日本語対応
- レスポンシブデザイン(スマホ対応)
- 高いカスタマイズ性
無料テーマであれば「Cocoon」や「Lightning」、有料なら「SWELL」や「THE THOR」などが人気です。
インストールは管理画面の「外観」→「テーマ」から行い、「新規追加」ボタンで検索して適用するだけです。有料テーマの場合は公式サイトから購入・ダウンロードし、「テーマのアップロード」機能を使います。テーマを変更するとデザインだけでなく機能構成も変わるため、選定時にはデモサイトを確認し、自社や自分の目的に合うか事前にチェックすることが大切です。
ステップ5:プラグインの導入と設定
ステップ5では、必要な機能を追加するプラグインを選び、適切に設定します。WordPressはプラグインを追加することで、セキュリティ強化、SEO対策、問い合わせフォーム設置など、標準機能にはない便利な機能を簡単に実装できます。ただし、入れすぎはサイト速度の低下や不具合の原因になるため、必要最小限に絞るのが基本です。
おすすめプラグイン例(初心者向け)
用途 | プラグイン名 | 主な機能 |
---|---|---|
セキュリティ | SiteGuard WP Plugin | ログイン画面の保護、不正アクセス防止 |
SEO対策 | All in One SEO / Yoast SEO | タイトル・ディスクリプション設定、サイトマップ生成 |
バックアップ | BackWPup | 定期的な自動バックアップ |
お問い合わせ | Contact Form 7 | 問い合わせフォーム作成 |
画像圧縮 | EWWW Image Optimizer | 画像ファイルの自動圧縮で表示速度改善 |
インストールは管理画面の「プラグイン」→「新規追加」から検索し、「今すぐインストール」→「有効化」をクリックします。有効化後は必ず設定画面を確認し、自分のサイトの目的や運営方針に合わせてカスタマイズしましょう。
ステップ6:必要な固定ページの作成
ステップ6では、運営に必須となる固定ページを作ります。WordPressでは、ブログ記事とは別に「固定ページ」を使って会社概要やお問い合わせページなど、常に必要な情報を掲載します。これらは信頼性を高め、SEO面でも評価されやすい重要なコンテンツです。
最低限作成しておくべき固定ページ例
ページ名 | 目的 | ポイント |
---|---|---|
トップページ | サイトの入口 | ブランドイメージを伝え、重要ページへの導線を張る |
会社概要(プロフィール) | 信頼性の向上 | 企業情報・所在地・沿革・代表挨拶など |
サービス/商品紹介 | 提供内容の明確化 | 特徴・価格・導入事例・写真を掲載 |
お問い合わせ | 見込み顧客の獲得 | フォーム設置、電話番号やメールアドレスも明記 |
プライバシーポリシー | 法令遵守 | 個人情報の取り扱い方針を記載 |
利用規約(必要な場合) | トラブル防止 | サービス利用条件を明文化 |
作成は管理画面の「固定ページ」→「新規追加」から行います。ページごとに見出し構造(h2, h3)を整え、必要に応じて画像や表を挿入して可読性を高めましょう。また、URLスラッグは短くシンプルにし、英単語で統一するとSEO的にも有利です。
ステップ7:最終チェックと公開準備
公開前に必ず動作確認と表示チェックを行い、安心してサイトを公開します。サイト公開はゴールではなくスタートです。しかし、不完全な状態で公開すると、ユーザーの信頼を失うだけでなく、SEO評価にも悪影響を与えます。そこで、公開前には以下のチェックポイントを押さえることが重要です。
◻︎表示速度の確認
Google PageSpeed InsightsやGTmetrixを使い、PC・スマホの表示速度を計測します。特にスマホ表示が遅いと離脱率が高まるため、画像圧縮やキャッシュ利用で改善しましょう。
◻︎スマホ・タブレット表示の確認
レスポンシブ対応が正しく反映されているかを各デバイスで確認します。文字が小さすぎたり、ボタンが押しづらい箇所がないかチェックします。
◻︎主要ページのリンク切れ確認
トップページ、会社概要、商品・サービス紹介、お問い合わせフォームなど、重要なページでリンク切れがないかを確認します。
◻︎アクセス解析の設定確認
Googleアナリティクスとサーチコンソールが正しく連携しているかを確認し、データ計測の準備を整えます。
◻︎キャッシュ削除と再読み込み
修正後はブラウザキャッシュやサーバーキャッシュを削除し、最新状態を反映させます。
これらをクリアして初めて、安心して公開できる状態になります。準備を整えたら、いよいよ世界中からアクセス可能な状態にしましょう。
WordPressサイト公開後にやるべき運用の基本

公開後は、定期的な更新とセキュリティ管理が成功のカギです。WordPressサイトは、公開した瞬間から全世界のユーザーにアクセスされる状態になります。そのため、作ったまま放置せず、継続的に更新・改善を行うことが重要です。
特に次の4つのポイントは最低限押さえておきましょう:
ポイント1. コンテンツの定期更新
記事や製品情報を定期的に追加することで、検索エンジンからの評価が高まり、リピーターも増えます。更新頻度は月1回でも構いませんが、継続性が重要です。
ポイント2. セキュリティ対策の徹底
WordPress本体やテーマ、プラグインは常に最新バージョンに保ちましょう。更新を怠ると、脆弱性を突かれて不正アクセスのリスクが高まります。
ポイント3. バックアップの実施
サーバー障害や人的ミスによるデータ消失に備え、定期的なバックアップを行います。レンタルサーバーの自動バックアップ機能や専用プラグインを活用すると安心です。
ポイント4. アクセス解析で改善点を見つける
Googleアナリティクスやサーチコンソールで訪問者数や検索キーワードを確認し、改善策を立てます。セッション数、PV数、流入キーワードなど、長期的に改善したいKPIを設定して、Webサイトの改修を続けましょう。
こうした運用を続けることで、WordPressサイトは「作っただけのサイト」から「集客と売上を生む資産」へと成長していきます。とくにアクセス解析は、Webサイトを運用する上では欠かせません。アクセス解析とは、人間に置き換えると健康診断です。アクセス状況を正しく把握して改善策を打つことで、事業に貢献するWebサイトに育てましょう。
WordPressで制作されたWebサイト7選

WordPressは、個人ブログから大規模な企業サイトまで幅広く活用されています。ここでは、企業が運営するWebサイトに絞ったうえで、参考になる5つの事例を紹介します。
もちろん、世界的に有名な企業の事例も存在します。さまざまな業界で活用されていることから、信頼性の高さが伺えることでしょう。これらのサイトを見ることで、自社サイト制作の方向性やテーマ選びのヒントが得られます。
事例1.フジテック株式会社 コーポレートサイト

出典: フジテック株式会社
フジテック株式会社は、エレベーター・エスカレーター・動く歩道など昇降機の開発、製造、販売、据付、保守サービスをグローバルに展開する企業です。日本国内はもとより、アジア、アメリカ、欧州にも拠点を持ち、都市の発展や快適な移動空間の提供に貢献しています。
サイトは、クリーンで信頼感のあるデザインが特長です。製品・サービスに関する詳細情報のほか、企業情報、IR、サステナビリティへの取り組み、ニュースリリースなど、多様なステークホルダー向け情報が整理されて掲載されています。ユーザーが目的に応じて必要な情報にスムーズにアクセスできるナビゲーションや、キャッチーなビジュアル表現も印象的です。
URL:https://www.fujitec.co.jp/
事例2. 田辺工業株式会社 コーポレートサイト

出典:田辺工業株式会社
田辺工業株式会社は、プラント建設(機器製作・据付・各種設備/装置の設計・施工)、電気計装工事、工場設備のメンテナンス、自動化/ロボット化装置の開発・製造(例:AGV・包装ラインなど)を手がける企業です。
コーポレートサイトは、清潔感と技術力の高さが伝わるすっきりとしたデザインに仕上げています。同社は東証スタンダード市場に上場しており、IR情報やCSRの取り組みなど、ステークホルダーへの透明性を意識したコンテンツも充実しています。
URL:https://www.tanabe-ind.co.jp/
事例3. エアロファシリティー株式会社 コーポレートサイト

エアロファシリティー株式会社は、東京都中央区に拠点を置く1986年設立の企業です。主にヘリポートや空港インフラ、防災・医療・ドローン関連設備の設計・施工・保守を一貫提供。官公庁や自治体、医療機関への納入実績も豊富で、専門性・信頼性が高いのが特徴です。
シンプルかつコーポレート色の強いデザインで、企業理念や事業内容、実績、技術情報などが整理されている印象です。サービス・実績紹介が充実しており、主に法人・行政向けの実用的アプローチが際立ちます。お問い合わせ・採用情報などもわかりやすく配置。装飾や動きは控えめで、「きちんと感」を重視した安心感のある構成に仕上がっています。
事例4. 株式会社オリエンタルランド コーポレートサイト

株式会社オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾート(東京ディズニーランド、東京ディズニーシー)の運営を中心としたテーマパーク・リゾート事業、ホテル事業、モール事業などを展開する企業です。
上場企業としての信頼感を担保しつつ豊富な情報をすっきりと整理したデザインが特長。投資家情報、ニュースリリース、サステナビリティに関する特設ページなど、多様なステークホルダーに向けて必要な情報へ直感的にアクセスできるナビゲーション設計が魅力です。また、グループ全体のブランドイメージに合わせたビジュアルと、アクセシビリティにも配慮したUIが印象的です。
URL:https://www.olc.co.jp/ja/index.html
事例5. 大王製紙株式会社 コーポレートサイト

出典:大王製紙株式会社
大王製紙株式会社は、紙・パルプの製造・販売を中核に、家庭用紙製品(エリエール等)、産業用紙・包装資材、ヘルスケア・ペットケア関連商品など幅広い事業を展開する企業です。
清潔感と信頼感のあるデザインが印象的です。自社ブランドや研究開発、社会貢献活動、IR情報などのコンテンツを、シンプルで直感的なナビゲーションで分かりやすく発信。ユーザーが探す情報に迅速にたどり着ける構成となっており、多岐にわたる事業内容やSDGsへの取り組みも丁寧に紹介されています。
URL:https://www.daio-paper.co.jp/
事例6. 株式会社ダイワ コーポレートサイト

出典:株式会社ダイワ
株式会社ダイワは、中古トラック・重機・建機の買取・販売を中心に、車両の輸出入事業やメンテナンスサービスなど幅広い事業を展開する企業です。自社独自のネットワークと専門ノウハウを活かし、日本国内だけでなく海外の顧客にも高品質な中古車両を提供しています。
コーポレートサイトは、プロフェッショナルなイメージを大切にしつつ、目的ごとに細かなメニューが整備された分かりやすい構成を採用。買取・販売情報や在庫車両の検索、査定依頼などの機能が充実しており、ユーザー視点に立った使いやすいデザインが特長です。
事例7. マイナビウーマン

出典:マイナビウーマン
「マイナビウーマン」は、株式会社マイナビが運営する女性向け総合情報サイトです。キャリア・働き方、恋愛・結婚、美容・ヘルスケアなど、20~30代女性を中心に幅広いライフスタイル情報を発信しています。
読みやすく整理されたコンテンツ構成と親しみやすいビジュアルが魅力で、特集記事や診断コンテンツも豊富。サイト規模は、月間3,000万PV以上を誇ります。このような大型メディアも、WordPressによって管理されています。
まとめ:自社に最適なWordPressサイトを構築しよう

WordPressは、コストを抑えつつ自由度の高いWebサイトを構築できる強力なプラットフォームです。本記事では、WordPressの基礎知識からレンタルサーバー選び、テーマ・プラグインの活用、そして国内の事例紹介まで、実践的な手順と参考情報とともにご紹介しました。
ホームページを作成する上で重要なのは、「見た目の良さ」だけでなく、自社の事業モデルや運営体制に適した構成・機能を備えることです。更新しやすい設計、セキュリティ対策、SEOを意識したコンテンツ設計を組み合わせることで、集客・ブランディング・営業支援まで一貫して効果を発揮します。
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